シラーは、現代の情報テクノロジーと先端の金融理論をどのように用いれば、リスク管理企業によって見落とされてきた基本的なリスク――仕事と家庭の価値へのリスク、コミュニティーの活力に対するリスク、国家経済そのものの安定についてのリスク――を避けることができるかについて6つの基本的なアイデアを示している。包括的なリスク情報データベースに基づいたこの新しい金融秩序は、リスク取引や、格差保険から世代間の社会保障までを含む無数の新しい金融機会を試すグローバル市場までも含んでいる。ちょうど一世紀前に、生活、健康、災害へのリスクをカバーする保険が発明されて、私たちの生活の質が大きく変わったように、重要な資産を守ろうとするシラーの構想は、私たちの生活を豊かにしてくれるものとなるはずだ。
シラーは、本書によって再び、私たちの普通の富を、これまで見られなかったようなレベルの経済的安全、公平さ、成長に変換してくれる強力な手段を与えてくれた。今回もまた、経済に関係のあるすべての人々はロバート・シラーの声に、耳を傾ける必要があるだろう。