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Firefly: Complete Series [DVD] [Import]

価格: ¥2,920
カテゴリ: DVD
ブランド: 20th Century Fox
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   テレビシリーズ“Firefly”(ファイヤーフライ)の映画化作品『セレニティ』が2005年に劇場公開されて、“Firefly”はもう一度チャンスを与えられるべきSF作品であると証明された。そんなことは最初から熱心なファン(またの名を“Browncoats”ブラウンコーツ)には分かっていたことだが、テレビシリーズの放送を見逃した人は今回の傑作DVDセットを観ればそのとおりだと分かるだろう。クリエーター、ジョス・ウェドンによる意欲的なSF西部劇(『バフィー~恋する十字架』『エンジェル』に続くウェドンにとって3作目のテレビシリーズ)であり、FOXテレビでは14話のうちたった11話しか放送されなかったが、番組打ち切りは早合点だったと歴史が証明した。FOXテレビの重役がアクション満載の初回分(1時間)を作るように要請すると、ウェドンは正真正銘のハイブリッドな作品で衝撃のスタートをさせた(“The Train Job”)。第1話に先行して放送された2時間の周到に作られたパイロット版(不思議なことにパイロット版も最終回もともにタイトルは“Serenity”セレニティである)は、結果的にはこのシリーズの概要とすばらしいキャストをうまく紹介するものとなった。熱狂的なファンは宇宙船団と開拓時代のアメリカを無理やりこじつけて論じかねない(舞台は500年先の未来で、敵に包囲された人類が宇宙に出ていく。宇宙の辺境にある発展途上の惑星では開拓時代の西部と同様、敵対関係に妥協点を見いだせないかと努力が重ねられている)が、ウェドンをはじめとする才能あるライターならびにディレクターはうまく筋書きを展開させた。過去と現在と未来のテクノロジーが衝突し、英語とスラング満載の中国語が話される多言語の社会(2大勢力が支配している結果である)というつじつまの合わない設定にどうにかして信憑性を持たせたのである。
   こういう作業がうまくいったのは、ウェドンが選んだ愉快なキャスト、よく練られた9人のキャラクター(ウェドンらしい拡大家族である)のおかげだ。登場人物はそれぞれセレニティ号の冒険に独自の観点を示している。セレニティ号は彼らが我が家と呼ぶ、おんぼろだが愛すべき「ファイヤーフライ(蛍)級の」宇宙船である。宇宙を支配しているアライアンス(連合軍)に挑んで形勢不利な戦いをする独立派側(専制君主に対する弱者といったところである)の退役軍人がセレニティ号の船長マルコム・レイノルズ(ネイサン・フィリオン)で、彼は生き残りをかけて少数の乗組員を率いていく。彼らは道徳の範疇にないポリシーを掲げる反逆者で、高額な報酬をもらえればどんな仕事でもするが、ファイヤーフライ号でおりなされる善と悪(そして平和と暴力)の複雑な物語が回を追うごとに味わい深く描かれる。“Blue Sun”(ミステリアスで邪悪な計画を持って忍び寄る巨大集団)に関するじれったい手がかりや、アライアンスとのつながり、セレニティ号に乗り込んだ密航者(サマー・グルー)が、高度な戦闘技術を開発するためにかつて実験材料にされ、ひどい扱いを受けていたという筋書きは、このシリーズがわくわくする展開に向かっていくはずだったことを明らかに示していたが、番組の打ち切りによって続きは観られなくなってしまった。幸いにも映画『セレニティ』(テレビシリーズとはまた別に楽しめる内容である)のおかげで、宇宙を舞台にしたウェドンによる突拍子もない西部劇をまた観られることになった。映画化されたという事実が、このDVDに収められた14話分のテレビシリーズ(DVDには楽しい特典映像もある)の打ち切りはFOXテレビの大きな過ちだったことを物語っている。(Jeff Shannon, Amazon.com)