オリジナルバージョンと以前の二作では、マンデラとメアリゲイが再び戦場
へ戻った理由が異なっており、それ故に異なる読後感の物語となっています。
二人の絶望とささやかな救い。そして救いのない絶望から物語のラストへ。
一般受けという問題はあるでしょうが、私はこのオリジナルを心から支持します。
英語が読める人は是非オリジナルを読んでみてください。
この小説では、何世代にも渡る異星人との戦争を一人の軍人の軍歴を通じて描いていく。目前の戦いに如何にして勝利をおさめるのか。謎の敵の正体は何なのか。パワードスーツや超光速航行といったSF定番の仕掛けが、ワォーゲームとしての小説の面白さに厚みを加えていて、まるで自分自身がその永い戦いの中に身を置いているような臨場感を感じることができる小説である。しかし、最後には空しい戦いの結末が待っていて、戦争の愚かさと無意味さが漂ってくる小説でもある。 この小説は、ベトナム戦争に従軍した作者が描いたハインラインの「宇宙の戦士」への反証であるともいえる。あのバンホーベンの映画「スターシップトルーパー」が面白かったと思う人にはぜひ読んで欲しい小説といえる。