物理で現れた数学がまとめられている
★★★★★
目次
VOLUME ONE
1. Vectors in Classical Physics
2. Calcul of Variations
3. Vectors and Matrices
4. Vector Spaces in Physics
5. Hilbert Space - Complete Othonormal Sets of Functions
VOLUME TWO
6. Elements and Applications of the Theory of Analytic Funcions
7. Green's Functions
8. Introductions to Integral Equations
9. Integral Equations in Hilbert Space
10. Introduction to Group Theory
コロンビア大学で行われた授業をもとにした、大学院1年生向けの教科書。
前書きによればこの本のバックボーンは第1部3,4,5章のベクトル空間の理論である。
第2部は数学の諸分野へのイントロダクション的な意味合いが強い。
目次を見てわかるとおり、この本では微分方程式は扱われていない。
物理を学ぶ上で現れた数学上の概念を数学側からまとめなおした印象である。
例が豊富であり物理のどの問題で用いられる手法か、掴みやすいのはこの本の
美徳だと思う。背表紙にあるとおり基本的には"self-contained"であるので
学部の基本的な物理を知っていれば読み進めることができる。
上に書いたように物理的な応用が各セクションで必ず取り上げられているので
途中で飽きづらいというのも良い点だと思う。