キャラクターでぐいぐい押していきます
★★★★★
擁護派レビュー補給。
個人的には光永康則さんの絵柄、好きなので、★5つです。
筆者の姉妹作である『怪物王女』と比べると、凝ったパロディとかオマージュとか
それに伴うトリックやマニアックさもありませんが、売れっ子漫画家として熟練した
腕の冴えは充分味わえる内容となっております。
お話しとしては(今のところ?)単純なものですが、変に凝ったお話しや意味不明の
ストーリーを延々読まされるよりも、このくらいの方がスッキリしてて、むしろ好感が
持てます。
つまり、良い意味での大人向け漫画だと思います。
基本的にキャラクターの魅力でぐいぐいと押していくタイプの作家さんだと思うので、
この内容でOK、なんじゃないでしょうか?
むずかしい屁理屈抜きで、ああ、一子(巫女さんの別読み名に合わせたんですね)さん
色っぽいけど、古風で生真面目で不器用で良いなぁ、とか、バッカみてぇー、この話、
てな具合に楽しんで読むのが一番かと。
ただし、条件があります。
光永康則さんの絵に抵抗がある人にはお勧めできません。だけどまぁ、全ての人に
愛される絵を描く漫画家さんなんていないので、それもいいかと。
個人的には、オススメです。
独特のエロス
★★★★☆
「怪物王女」で有名になった光永康則による、青年向けお色気マンガ。
元来、怪談話やホラーというのは色気と密接に結びついたジャンルであるが、
「怪物王女」の方は構成の都合上、そこまでサービスに徹した作品にはなっていない。そこで、この作品だ。
表紙を見れば、大体この作品がどんなものか分かるのではなかろうか。
この人の絵は良くも悪くも癖があるので、ひょっとしたらこの絵でサービスシーンを描かれても何とも思わない、という人もいるだろうが、おそらくそう言う人にはあまり向いていない。ストーリー自体にそこまでの新規性があるわけではないし、気にくわない絵を我慢しながら読むほどの内容とは言い難いからだ。あくまでこの作品は、この作者の絵が少なからず好きな人に向けての作品である。
もし、この絵が好きだという条件をクリア出来るなら、この作品はなかなか面白い。童貞×処女の微妙なカップリングを巡る何とも不思議な色恋沙汰も味があるし、なんと言っても未だかつて無かった「童貞」を守るための戦いというコンセプトが面白い。「それを捨てるなんてとんでもない!」「童貞も守れずに何が守れるというのか」と言った冗談が本気で実現してしまった形だ。
そんな奇妙な試練に襲いかかるのが、数々のお色気トラップ。なんと言ってもヒロイン一子のエロさが際立っており、あるときは巫女服、あるときはスーツを身にまとい、有り余る巨乳がブンブン揺れる。巨乳描写にはこだわりもあるらしく、インパクトは充分。巻末には恒例のおまけマンガ(4P)もついているので、コミックスとしてのサービスも悪くない。
とりあえず、「怪物王女」でこの作者さんのファンになった人は、1巻だけでも買ってみるといいかもしれない。その上で、「あまりに馬鹿馬鹿しい」と呆れるか、「これはエロい」と興奮するか、「退魔バトルものとしても面白い」と感心するかは、お好みで。
ビジネス街に跋扈する悪霊と巫女
★★★★☆
新橋に社屋を構える大企業集英商事の総務2課は表向きは社内の雑用係だがその実は会社や地域社会に害を為す悪霊を払う通称「退魔課」だった…。
ツンデレの先輩OL、数百年続いた神官の娘で除霊の能力を持った巨乳でおまけに処女の宮間一子と新入社員中に処女が存在しなかった為に代替で宮間のパートナーに選ばれた童貞の菰田貞夫を主人公に、日本の誇るビジネスマン都市新橋を舞台としたライト感覚のオカルトコメディです。
いまさら、巨乳の巫女物をバリバリのサラリーマン向け雑誌に連載するなんて少々安直な気もしたのですが、実際読んでみると引き込まれてしまいました。
主役二人が除霊能力をなくすと言う理由で童貞処女を社命により守らされる設定から毎回寸止めのお色気とプラトニックな恋愛感情を絶妙に効かせています。
加えて有名漫画・映画の引用や、昨今話題の痴漢冤罪等をまぶした作者お得意の凝ったストーリーも楽しめて見事に肩の凝らない娯楽作となっています。
某少女漫画と同じく都内の担当地区毎に魔を祓う巫女が配置されているという設定から今後現れるであろう様々な巫女さんも楽しみです。
しかし観れば観るほど微妙なデフォルメの顔を描く方だなあと改めて思いました。