日本人ほど個性と創造力の豊かな国民はいない
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著者の日本論・日本人論に対して、<あなたは日本の「いいところ」ばかりに注目して「悪いところ」にあまり目を向けようとしない>という指摘が寄せられることがあるらしい。だが著者が日本の「悪いところ」にさほど関心を抱かないのは、その種の「悪いところ」ならば諸外国にいくらでもあるからで、逆に関心を抱くのは、諸外国ではまず見られない日本特有の面であり、それらの多くが結果として「いいところ」なのだという。「いいところ」とは、著者の実感に即して言えば、「美風」である。幕末・明治初期に日本を訪れた西洋人の多くが注目したのも、日本特有の「美風」であった。
著者は、日本人はもっと自国の文化、伝統、思想に自信を持つべきだと主張する。さらに、日本人ほど個性と創造力豊かな国民はいない、とも。80年代に韓国より来日し、比較文化の視点から日本を論じ続けてきた著者が90年代後半に発表した好著『日本が嫌いな日本人へ』の復刻版。