この10周年記念のコレクションの第2弾は、1996から2000年の作品を取りあげ、ダフト・パンクの「Around The World」の悪名高いリミックスとともに、メルBの「I Want You Back」のひねりの効いた見事なテイクも収録している。ポリリズムを取りいれたこの「I Want You Back」のおかげで、ふたりはソウルフルなごった煮サウンドによるダンスフロアの王者として君臨した。これは、ふたりの守備範囲の広さと、ありきたりのトラックを越える能力を証明している。ファンク、気品、洗練さをにじませるリミックスを生みだすふたりの才能を示す絶好の例は、ディスク1のルーサー・ヴァンドロスの「Are U Using Me」の感動的なアレンジと、ケレ・ル・ロックからガレージ界のこわもての歌姫の一面を引き出した「You Did It Good」だ。また、ディスク1のウルトラ・ナテの「Divine Love」と、ディスク2のジョージ・ベンソンがカヴァーするダニー・ハサウェイの名曲「The Ghetto」には、同じくらい魅力的なグルーヴが訪れる。
ディスク2では、アフロビートの創始者であるナイジェリア人フェラ・クティの前衛的なファンクにも興味をしめしている。その結果として生まれた「MAW Expensive」は、ビートを効かせた12分の大曲であり、ウンミの情感に訴えるヴォーカルを取り入れている。1997年にリリースした『Nuyorican Soul』は、ふたりが手を加えたサウンドのほぼすべてに、崇高で陽気なムードをあたえることのできる能力をしめす典型的な例だ。このアルバムからは、「Mind Fluid」「You Can Do It Baby」「It's Alright, I Feel It」「Runaway」の4曲がディスク2、3、4に収録されている。マスターズ・アット・ワークが成しとげた多くの偉業は、他の多くの同業者の仕事をかすませるほどだが、このふたりのパワーは長いときを経た今でも衰えを見せていない。この『Part 2』は、『Part 1』と同じくらいソウルフルですばらしいダンス・ミュージックを聴かせてくれるのだ。(Reuben Dessay, Amazon.co.uk)