大正から昭和にかけて活躍した日本を代表する劇作家・演出家、岸田國士の評論。初出は「一橋新聞」［1937（昭和12）年］。「僕は近頃かういふことを考へる。日本といふ国はいつたい、何時になつたら風俗的に統一されるのであらうか？」という書き出しで始まるこの論で、岸田は、和洋の文化が混ざることで生じている「摩擦」を指摘し、日本人の性情に合った西洋文化が生まれる日を待ちたいとしている。