私の属するキリスト教の聖公会では、あまり霊体験うんぬんは語りませんし、尊敬して帰依する仏教、ことに浄土真宗では「死んだら即浄土に行く！霊体験など妄言！」と断言し、お釈迦様も無記といって、不明なことは語るなと教えています。
でも、この加門さんの体験は、何だか本物じゃないかなあと思うのです。このシリーズは本作で三作目ですが、読むほどに霊の存在と、霊能者がいてもおかしくないというように思うようになります。
ネタバレになるのでぼかしますが、旅行先でみっちり詰まった巨大老婆がビルの隙間にいたとか、夢の中で泰山府君（道教版の閻魔様）に会って追い出されたがイケメンだったとか、全く怖くない話ばかりです。たまに命がけだったのかもしれない体験談もありますが･･･。
私は加門さんが昔から好きですし、作画の先生と絵柄も好きなので、星５つつけます。
霊の実存を信ずる人も、霊などいない！という熱心な仏教徒なども、あくまでエンタテイメントとして読んで欲しいと思います。読まないと損しますよ。ほら、あなたの後ろで「取りて読みなさい」と聖徳太子が夢告していらっしゃる（なおネタ元は親鸞聖人伝です）