1882年の黄色いハンカチーフ
★★★★★
ロバート・デュバル主役、彼に敬意を払うコスナーの気持ちが作品に流れています。テンダー・マーシーのカントリー・シンガーは実にうまかった。けれど、こっちの方が、まさに、ボス・デュバル!おなか出て少し足を引きずり気味だけど、馬で颯爽と丘を駈け登って来る場面では思わず胸に手がいきました。いいなぁ!ケビンの頭髪ぽやぽやとアネット・ベニングのシワもナチュラルです。プロポーズを受ける場面の年を重ねた賢婦人の落ち着いた声と笑顔にワンダフル。大人のマリッジっていいです。マジゾン群より自然でした。最後の銃撃が終わり・・・チャーリーが足をひきながら、健さんみたいにぼそぼそ声をかける。耳をすましどう受け止めようかと待つスーの背中。そして・・・do you know how old I am? チャーリーDon't care how old you are. スーI'm not a girl any more.痺れました。大人だ。1000回の!これでどうだの極めつけ台詞!幸せ気分になれます。マイケル・ガンボンはその時代背景を感じさせて、憎みきれない悪役地主でした。スーはドクターの妹か姉か?字幕では・・・。画面サイズ: 2.35:1 Widescreen って画面サイズ:1.78:1Widescreenより幅が狭くて黒い部分が上下に出ます。これはオリジナルサイズなのかわかりません。HDリマスター版は出るかな?エンディングも微笑みのおまけ付きです。
ワイルド・レンジ 最後の銃撃 [DVD]
今時とも思えるくらい、真っ当で実直な本格派西部劇
★★★★★
かつてケビン・コスナーと言えば、往年のグレゴリー・ペックのように絵に描いたような善人役しか演じない
私にとって鼻につく役者の一人であったのが、迷作「スコーピオン」を経て、今作では今までと少し違う
Hero像を演ずるのである。
粗暴ではあるが正義感の強い、それでいて女性に対しては愚直ながら誠実なチャーリー。
50歳近くになって漸く役者としての良い味が出てきたような気がします。
そしてロバート・デュヴァルが初老のGunmanボス役を枯れた良い雰囲気を出しながら演じております。
この作品ではTopにcreditされているので、本当の主役はデュヴァルなんです。
「ゴッドファーザー」で注目を浴びるようになる70年代前半は主にB級Actionの主役(「バッジ373」「組織」など)か、
悪役(「シノーラ」「ダイヤモンド・コネクション」など)しかOfferが来なかった人が今や超一流バイプレイヤーですからね。
アネット・ベニングも良いですねぇ。
この女優さんって美しくも無ければ、Sexyでもない、恋人ウォーレン・ベイティのおかげで食っていけてるのかな
という印象しかなかったのですが、この作品では純粋だけれど芯の強い可愛いオバちゃん役を堅実な演技でこなしております。
作品の内容はReview Titleにもあるように正に典型的正統派西部劇であり、
最近の爆薬・弾薬使いまくりCGだらけのド派手なActionしか観ていない人たちには物足りないかもしれません。
でも最高の見せ場であるLast近くの約20分にも及ぶGun FightはかなりRealityがあり
(人に中々命中しないし、弾を打ち込まれても中々息絶えないのが正にRealism)、観ていて興奮します。
まぁマカロニウェスタンの芸術的Gun Fightも大好きですが(特に「真昼の用心棒」)。
細かなEpisodeも全てにRealismが感じられ、
(特に医者の家の床を泥で汚してしまったケビンが其の泥を拾い集めて、帽子に入れているSceneや
雨で水浸し状態になった道を板を渡しながら横切ろうと苦労しているSceneなど)ホンマニ良い映画ですわ。
ちょっと甘いけど★5個にしときます。
最後に。
撮っているのがケビン本人だったとは。「ダンス・ウィズ・ウルブズ」共々渋くて良い作品を撮りますねぇ(但し「ポストマン」は駄作)。