先日店頭にて購入しました。読んでみると、その作詩術の巧妙さに目を見晴らされます。単語の組み合わせ方の巧さ（響きの似た単語を並べるなどの手法）、象徴的な表現など、素晴らしいと感じます。価格も廉価で、お得です。江湖にお薦め致します。

　エミリ・ディキンスンの詩を原典で読んでみたい向きには、おすすめ。
　1955年に刊行されたT・H・ジョンスン校訂による『ディキンスン全詩集』全三巻の収録作品を一冊にまとめたペーパーバックの普及版。
　この内容でこの価格なら、そんなに高くないのではないか。

　詩人の20代の初期から50代の晩年にいたる全1775篇の詩が収録されている。
　770ページもある分厚い本ですが、意外に軽量で、活字も大きいので読みやすい。
　でも、個々の作品に注解はついていない。索引はあるけれど。

　ジョンスン校訂版の全詩集のテクストは、その後のディキンスン研究の発展の基礎になったもので、エミリ・ディキンスンの詩をとりあげるときには、長いあいだ、本書の作品番号で言及されるのが一般的だった。
　それだけ定評のある全詩集だと言ってよいだろう。
　

　自分は以前Johnson版の全集を25000円くらい出して買ったので、これは非常にお買い得です。詩のほうは選集ではないのでクオリティに差はありますが読破して自分の好きなものを選んで愛読するといいのではないのでしょうか。理屈ではなく真の詩人の姿をはっきりと感じることの出来るすばらしい詩集だと思います。

エミリ・ディキンソンに関する文献では、このJohnson版詩集の作品番号が使われているので、ディキンソン研究者であれば必須の一冊。
英語で書かれています…当たり前だけど。ぶ厚い本なので持ち運びには重いですが、こんな本が本棚に一冊あったら知的ですね！
詩集の最後にはSubject Indexもついているので、主題別に読み深める楽しさもありますよー。