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プリズム (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥819
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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これもまた、《幻想SF》の傑作です。 ★★★★★
日本を代表する正統派《サイエンス・フィクション》作家、神林長平氏による、異色の《幻想SF》の傑作です。神林氏は、基本的に正統派サイエンス・フィクションの書き手だと思うのですが、その作風には《スペキュラティヴ・フィクション》からの、強い影響を感じます。本作は神林氏の、そんなスペキュラティヴな側面が全面的に押し出された、神林氏としては異色の《幻想SF》の傑作に仕上がっています。いわゆる連作長編として仕上がっている作品で、全7編の独立した短篇小説が有機的に絡み合って、一つの統一した世界を描き出しています。作品全体を貫くテーマは《故郷への帰還》という所でしょうか?この世界に強い違和感を持って生きている人間・機械たちの、切ない《望郷の念》が実に美しく描き出されています。最後に訪れる切なくも暖かい結末が、何とも言えず心に染みる感動的な作品です。神林ファンなら必読の作品ですが、むしろ《幻想SF》や《スペキュラティヴ・フィクション》に関心のある方にオススメしたい、隠れた名作です。
神林好きならはずせない一冊 ★★★★★
機械知性あり、多層世界あり、ちょっとずれた日常ドラマあり、ファンタジー要素あり、思弁論あり、魅力的なキャラクターあり。
神林的特徴を全部詰め込んだような一冊。
転換する世界 ★★★☆☆
 色を主題とした世界を描いたSF作品。
 4年に渡って書き継がれた7編からなる。同じ(?)世界を様々な視点から描写したものであるが、全体の統一感や整合性はない。むしろ、イメージや言葉の錯綜を楽しむべき一冊だろう。
 いつもながら神林氏の異様に力強い世界観に圧倒されるばかりであった。
 カバーのデザインが非常に印象的。
多角的視点 ★★★★★
私達の目に無色にうつる太陽光も、操作を加えると様々な色の光に分散出来るように、この物語もあるひとつの事象をはじめに、様々な視点、次元からそれを眺め、文章に結晶させたもののように思える。だからこそプリズムなのかと、思ってみたり。
これまで神林さんの作品のなかではちょっと異色かとも思った。テキストや言葉を描く(というのも妙な話だが)よりも、色に、つまり視覚的なものに主眼が置かれているように一旦は思えたからだ。
けれど、結局全ては言葉に還元される。あるいは思いに。そしてもっとシンプルな、言語に還っていく。
切れの良い言葉で綴られていくストーリーが魅力的。神林さんの作品を作品をいくつか、とくに言壺をよんでから読むとさらに味わい深いと思います。海賊課も捨てがたいが。
光り輝く、言葉と想いのものがたり ★★★★★
あなたは小説を書いたことがあるだろうか?
真っ白な原稿用紙やワープロと、時にはにらめっこをしながら、
少しずつ言葉を埋めていく作業をしたことがあるだろうか。

本書『プリズム』は、別に創作の仕方についての本ではない。
浮遊都市制御体に管理された町に暮らす人々(その管理の仕方
が、『管理』という言葉にはくくられないのだけれど)を、

光り輝くプリズムのように、様々な登場人物の視点から語った
作品である。

様々な「色」をモチーフに語られる物語は、めまいがするよう
な幻想感を読み手に与えるに違いない。そして、小説を書きつ
づった経験のある人には、さらに強い「想い」が、読み終わっ
た後も心に残ることだろう。『言壺』とあわせて、ぜひとも読
んでいただきたい作品である。