バイバイ、ブラックバード(単行本版)
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星野一彦の最後の頼みは、〈あのバス〉でどこかに連れていかれる前に、五人の恋人たちそれぞれに別れの挨拶をさせてほしいというもの。そんな彼の見張り役についたのは、「常識」「愛想」「悩み」「色気「上品」──こんな単語は自分の辞書にはないと、サインペンで黒く塗り潰したページを見せるような粗暴な大女、繭美。
バスに乗るまでの二週間、ふたりは「結婚する」という嘘を伴って、彼女たちに逢いにいく。そして”六人めの女性”繭美との別れの日。星野は遂に〈あのバス〉に乗り込むのだが……。
太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、おかしみに彩られた本作品は、伊坂版「グッド・バイ」ともいえよう。