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Analytic Functions of Several Complex Variables (Ams Chelsea Publishing)

価格: ¥5,205
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Chelsea Pub Co
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待望の復刊! ★★★★★
 今から30年以上前、本書を元にした多変数函数論の自主セミナーに参加していた。講義を行った先生に乞い、本書を借りて夢中で眺めていた事を懐かしく思い出す。その時点で既に本書は絶版の状態で、最早個人で入手することは叶わなかった。今回、AMS-Chelseaの手により初版から45年近い時を経て復刊された事をとても嬉しく思う。(写本を作成する原本に残っていたのだろう、1箇所ではあるが何方かの肉筆による本書への書き込み(!!!)まで復刻されている…)

 本書は多変数函数論の標準的教科書として遍く引用されてきた書物であるが、執筆された1960年代前半という時代を反映し、多変数函数論の代数的側面を強調した書き方となっている。本書では整型函数の基本事項の解説の後に、整型函数の成す局所環の性質が説明され、その後解析的連接層の理論を経て解析空間(解析空間の定義は、付環空間の概念を用いるCartan-Serre流である)、層のコホモロジー、Stein空間の理論に進んでOka-Cartanの定理A,Bを証明し、最終章で擬凸領域の理論に及ぶ。Hartogsの逆問題の解決は、Stein多様体へ一般化されたGrauertの証明がこの最終章で解説されている。このような内容なので、函数論を志向する方とともに代数幾何学を目指す方にも強く勧められる書物だと思う。

 一つ蛇足を。本書を読まれる方に是非併読をお勧めしたいのが、広中平祐、卜部東介著「解析空間入門」 朝倉書店1981である。この本は本書の第2、4、6章の内容の素晴らしい解説であり(多重円盤の場合ではあるが、Oka-Cartanの定理A,Bの証明まで載っている)、図書館或いは古書店で探し出して来て併せて読まれるならば本書の内容への理解がより深まるに違いない。

 本書の多変数函数論の基礎理論を述べた古典としての価値は、今後も色褪せることはないだろう。