全部、知っている内容でした・・・。
★★★☆☆
09年、5人の夢だったドーム公演後、しばらくして3人の突然の訴訟。
結局、仮訴訟後、今年4月に東方神起は活動休止。
時間を空けずに、3人ユニット発表。
多くのファンが、違和感と戸惑いを覚えました。
そしてファンであっても、去年からの騒動を詳しく知らない方、
騒動は知っているが、見ない振りして応援する方、
騒動のせいで幻滅した、と離れていった方・・・。様々です。
その中でも、私のように5人のファンだった事で、一体、彼らに何があったのか知りたい
という方もいると思います。ネットやマスコミで飛び交う噂や憶測、
情報操作のための嘘ではなく、事実が知りたい。
そういった思いを抱えていたからこそ、本書を購入するに至りましたが、正直
内容は期待に答えてくれるものではありませんでした・・・。
内容的には、JYJ発足から、何故、東方神起が、今のような結果になっていったのか
検証する、というテーマで、彼らのデビュー前後の足跡、素顔、東方神起の活動、
SMのスター育成システム、化粧品事業、彼らに関わる企業、
そして裁判に至るまで・・・と、おじさん雑誌のような硬い文体で進んでいきます。
でも、ほとんど、昔からのファンなら知っているような内容ばかりでした。
著者は、女性週刊誌記者を経て、事件記者もした経歴の方。
ジェジュンの実子騒動で、東方神起に興味を持ったそうです。
ここで不満があったのは、記者なのに「自分の足で稼いで情報を得ていない」という事。
大体、過去のテレビ番組出演時のエピソード、インタビュー、ネット情報を寄せ集めした
ような内容が延々と続きます。そのせいか、「ジュンスの母親は元ミス・コリア」という
間違いも所々。(これ実はジュンスの冗談なんです・・・)何より一番、違和感を覚えたのは、メンバーの心情まで勝手に想像して書いている点。
記者の方なら625集会は本当に行われたのか、何故3人は話し合いでは無く
裁判という方法に至ったのか、関係者に会って、色々な側面から、
去年からの騒動を検証して欲しかった・・・。
木越優さんの「東方神起の秘密2」では、韓国で関係者に直接インタビューし、
メンバーの素顔に迫っている分、こんなに純粋で一生懸命だったメンバーの夢が、
何故こんな結果になったのか・・・と色々と考えさせられます。
ファンが分っているのは、09年春からのコンサートツアー中には
3人と2人に別れて食事していた事、訴訟後も秋の時は
数人のメンバーは会っていたのに、年末の番組では決定的な
距離感がメンバーに出来ていたの事、です。
一体彼らに、09年春から冬にかけて、どんな心の変化があったのか?
それは、本書を読んでも、結局は分りませんでした・・・。
でも訴訟の資料や、色々な出来事の流れが、まとめられているので
去年からの騒動を知らない方なら、本書は良いのかも知れません。
あと、偏った視点にならないように配慮して書かれていますが唯一
ツイッターの件では、人の一方的な言い分でしかない文を載せたのは
あるメンバーに対してフェアじゃないと感じました。
最後に、彼らが初めて、台本無しで本音でトークしよう、という企画の時の話。
「Rising Sun」で足に大怪我したジェジュンが、
プロモーション活動をしたいために
後遺症が残る無理な手術をしようとした際、4人のメンバー全員が、
後遺症を残さない方法でゆっくり治療して欲しい、と強く勧めました。
そのおかげで今も無事に歩ける、ありがとうと、
メンバー全員にジェジュンが感謝した時。
普段は強気な末っ子のチャンミンが、急に泣き出したのです。
その時、末っ子を抱き寄せたり、静かに見つめていた4人。
カメラの前での、台本なしのトークが、メンバーへの感謝の言葉でした。
年齢も、育った環境も、価値観も違うから、ケンカや不満も多かったと聞きます。
でも5人で話し合ったり仲直りして、何度も乗り越えて頑張ってきたとも。
それは、彼らの夢が、ずっと一緒だったから。
でも今、彼らが向ける眼差しの方向は、すっかり変ってしまった。
ネットで知る、あるメンバーの行動が事実だとしたら、やるせない。
本当に、素敵なグループだったので、残念で仕方無いです・・・。