自分の購入する株式の本当の価値を知るには良い本だと思います
★★★★★
正直、何十年も前に学んだ高校生レベルの数学をすべて記憶している訳ではないので、特に後半に関しては、頭をフル回転させながら読みました。
しかし全般的に興味のある点が多くあり、楽しく読むことができました。前半では株式の価値を考えることなどに焦点を当てています。株式を購入する際、実際にはその会社の収益率や配当をチェックし、それからその他の株式と比較検討し、慎重に株式を購入している方は個人投資家にはどれくらいいるでしょうか。
私はさほど多くないと思います。
そういう意味ではこの本が1989年の初版以来、多くの人たちに読まれ続けているということが分かるような気がしました。
特にTOPIXや日経平均の算出方法の違いなどが明確に書かれているため、個人的には日経先物をトレードする際のヒントを掴むことができました。
後半にかけて、割引債や利付債などの構造、また標準偏差や分散の解説、ポートフォリオ、回帰モデルなどについて書かれています。
興味のある方は是非ご覧ください。
新装開店 ただし内容はそのまんま
★★★☆☆
証券アナリスト受験用のみならず、ファイナンスのための数学入門書として古典的存在であった本書が、装いも新たに改訂された。旧版は、個別証券(債券・株式)およびポートフォリオの収益率計算に主眼を置いた構成で、アナリスト試験に必要な範囲は一通り網羅していたプチロングセラーであった。
ただし旧版と比較すると、変更箇所といえば、年号が現代になっている点(80年代→2000年代)と、会社名がそのものズバリからアルファベットに変更された点(東●電力→T社)ぐらい。内容的には、行数からページ数に至るまで殆ど同じで、改訂版というよりは「改装版」と言った方が正しい。旧版の所持者が敢えて買い替えに走る必要性は薄い。まあ、それだけ旧版の完成度が高かったという事か。。。