重要な歴史
★★★★★
ザイニチと呼ばれる人々が、どのように日本、韓国、北朝鮮で人生を送ってきたのか。そしてサッカー界で活躍する人材を育てることができたのか。この本の中には、これまで在日以外の人々が知ることのなかった、重要な歴史が全て詰め込まれている。政治的問題による差別、批判。帰化問題など、日朝に暮らす人こそ知っておかなければいけない内容だった。
誰もが読んでみるべきだと思う。
★★★★★
在日朝鮮人の存在と歴史を知っている・・というには、私は余りにおこがましい。
祖国、日本、在日というアイデンティティは多くの苦悩なくして成り立たなかっただろう。 在日サッカー出自の方たちの熱い思いと苦悩に心を強く衝かれる。
サッカー選手の華々しい活躍を扱うでもなく、苦労話を語ってアイデンティティを哲学するわけでもない。彼らの素朴さと熱い想い、架け橋として生きる在日の人たちの存在に感動する。
誰もが読んでみるべきだと思う。
若き在日Jリーガー達
★★★★★
サッカーにはさほど詳しくない私も彼らの世界にグングン引き込まれて一気に読み終えました。
フィールド上だけでは見えてこない彼らの苦悩や葛藤、熱い思いや素顔が伝わってきました。
在日サッカーの歴史も初めて知った事実がたくさんあり、「知る。」と言う事の大切さを感じた一冊でした。
あとがきに綴られた著者の弟への思い。
「頑張っている人がいることを知らせなきゃ、次の世代も頑張れないじゃないか!!」
この本を読んでたくさんの人が力をもらうのではないでしょうか。
同じ在日コリアン・サッカー界に携わる者として…
★★★★☆
同じ在日コリアンのサッカーに携わる者として、興味深く読ませていただきました。
この本が多くの人に読まれることによって、多くの日本の方々が在日コリアン・フットボーラーに興味を持っていただければ嬉しい限りです。
興味深かったのは、ドイツW杯最終予選が始まる前までは、朝鮮代表選手自身ですらW杯に行けるとは思っていなかったこと。安英学選手の「クムン・イルオジンダ(夢は叶う)」という信念がチームに波及し、やがてはチームはまとまっていき、見事W杯出場を成し遂げたこと。日本で同じくサッカーを通じて夢を見る者として、見習わなければと強く思いました。
李忠成選手の章では、同じ在日といえども本当に知らなかったことばかりで、まだ二十歳を過ぎたばかりの青年がよくこんな重圧に耐え続けたなとある種の感動を覚えました。この本とは全く関係ありませんが、同じ在日コリアンとして言わせてもらうならば、「リ・タダナリ」ではなく「リ(イ)・チュンソン」で帰化すれば、もっと在日コリアンから共感を得られたのではないかと思います。
最後に、著者自身もこの本のタイトル通りの人生を歩んできており、著者の情熱(特に最終章)に本当に心を揺さぶられました。
日本の方々は勿論、在日コリアンにも読んでいただきたい一冊として推薦します。
在日というアイデンティティ
★★★★★
「在日」というアイデンティティを武器に戦うフットボーラー達。 彼らもまた日本のサッカー界が育んだ一つの象徴だ。 日本サッカー界に確かに存在する在日フットボール。 国やイデオロギーに翻弄されつつもしっかりと道を繋げてきた男達のドラマ。 在日だけではなく、全てのサッカーファンに全ての人々に読んで欲しい。 彼らを応援する日本人の暖かさとサッカーというスポーツのすばらしさを改めて感じさせられた。 そして、何よりも在日フットボーラー達の熱いドラマに何度も心が震えた。 夢は叶う。 情熱を持って過去と未来を綴ってくれた慎武宏氏に感謝。 未来のチョンテセへ。チョンテセになれなかった大人たちへ。