【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:大竹文雄/著 出版社名:日本経済新聞社 発行年月:2005年05月 関連キーワード:ニホン ノ フビヨウドウ カクサ シヤカイ ノ ゲンソウ ト ミライ にほん の ふびようどう かくさ しやかい の げんそう と みらい、 ニホンケイザイシンブンシ 5825 にほんけいざいしんぶんし 5825、 ニホンケイザイシンブンシ 5825 にほんけいざいしんぶんし 5825 なぜ、所得格差は拡大したのか。技術革新、グローバル化、それとも高齢化が要因か。日本の所得格差を、データを駆使して実証分析。再分配政策、世代サイズ、成果主義、年功賃金など注目のトピックにも幅広くアプローチする、不平等問題研究の決定版。 第1章 所得格差は拡大したのか第2章 誰が所得格差拡大を感じているのか第3章 人口高齢化と消費の不平等第4章 所得不平等化と再分配効果第5章 誰が所得再分配政策を支持するのか?第6章 賃金格差は拡大したのか第7章 ITは賃
「で、結局どうなの?」と言いたくなる。
★★★☆☆
著者の長年にわたる研究をとりまとめたものであり、根拠を基づく正確な記述がなされている。しかしながら、学術的な書籍にありがちで、「で、結局どうなの?」「で、どうしたらいいの?」といいたくなる。
印象に残った4・5・8章
★★★★☆
私が1番印象に残ったのは、第4章、所得不平等化と再分配効果、第5章;誰が所得配分政策を支持するのか及び第8章;労働市場における世代効果です。
第4章、5章で触れられた所得再分配、という考え方そのものが印象に残りました。
2000年代に入ると小泉内閣によって極端な再分配抑制策が唱えられるようになり、階層の固定化が心配されるようになったので、累進課税の制度に再び戻せぬものか・・・と思い立ちました。
高所得の方々に所得に応じた負担をしてもらわないと低所得者とのバランスが取れなくなるのではないでしょうか。
8章の、「不況時に就職した世代は、好況時に就職した世代よりも生涯賃金が安くなる。」という結論におおいに共感を覚えました。フリーター、ニート世代にはかくのごとく不況が色濃く影を落としているのが実証されたのです。
かように、この本には有効な経済政策及び適切な弱者救済政策のヒントがぎっしり詰まっているような気がします。
格差論者は先ず本書を論理的に反駁すべき
★★★★★
格差問題については、最近メディア(特にTとA)が相変わらず都合の良い情報だけを編集して伝えているので、
名前が一人歩きしているのではないかと思わされます。
格差問題を取り上げることも、社会問題化することも構いませんが、
少なくとも本書で取り扱われている内容を十分に理解して、
そのうえで論理的に反駁してもらいたいと思います。
格差問題を経済学だけで取り扱うことには限界はあるでしょうが、
経済学を全く無視して声高に叫ぶことのほうが危険だと思います。
本書では、格差はないとは言っていません。
もともと格差のあった高齢者の人口割合が増えたこと、
世帯標準人数が分散していること、
で世帯あたりのジニ係数の変化の9割が説明できるといっています。
世帯標準人数の分散でジニ係数にノイズがはいるのであれば、一人当たりの収入で再計算すれば何らかの答えがでるでしょう。
高齢者の人口割合の増大は現実として受け止め、高齢者同士で再配分すればよいでしょう。
格差の広がっている高齢者層の子供たちが同じスタートラインにつけないのであれば、
相続税の強化しかないでしょう。
これは機会平等の観点からは賛成しますね。
でも格差問題の原因はこれだけだと思いますし、公平性なき結果平等は社会を滅ぼします。
格差をイデオロギーの道具にして欲しくないですね。
「御用学者」の反論
★★★★☆
著者は本書の中で、所得不平等度の高まりは人口の高齢化によって発生したものであるとした上で、「所得が同じ2人が同じ宝くじを買ったとして、抽選前後を比べると所得格差は抽選後のほうが高い。抽選が行われる前に、宝くじに当たった人がいないからといって所得格差のない社会だというのはナンセンスである」という。だが、本当にそうなのか?親の所得が高く、出身階層が高いものは、初めから宝くじが当たりやすいポジションに立つことができるのではないか?その子供も、高額の教育投資によって、また初めから宝くじに当たりやすいポジションに立つことができるのではないか?著者は「出身階層による格差の固定化」という問題を無視している。最近、本書は経済図書に関するいくつかの賞を受賞したようだが、経済界からすれば所得格差の拡大はあくまで自由競争の結果であり、誰にでもチャンスはあると思わせたい。権力側が自分に都合の良い学説を持ち上げるのはよくあることだ。
なかなか難しい感じもする本です
★★★★★
この種の本ではかなりの量のデータを集めていますし、さらにそれを多次元的に調査・考察しています。
不平等という観点から成果主義を考えている部分は読みやすかったし、核心を突いていると思いました。
正直ちょっと議論が定量的すぎるなぁとも思うんですがそれでも十分な読み応えと内容のある本でした。