定期テスト対策、中堅大学志望の高校生に最適
★★★★☆
解説が比較的親切であり、数研出版の「青チャート」「黄チャート」等の問題集の解説の少なさに悩む高校生にとって、使い勝手の良い問題集になるだろう。
ただし、本書だけでは「問題数の不足」が否めない。また、解説は比較的親切ではあるが、実況中継シリーズのように、手取り足とりというものではなく、「人によっては解説が少ないと感じられる」ことも多いだろうと思われる。
このようなわけで「本質の解法」や「本質の研究」との併用が必須になる可能性が高く、そうなると分量・時間的に高校生の能力を超えてしまうのではなかろうか。これらはいずれも良書だが、分量が多すぎるように思われる。この3冊をこなすことが出来れば最難関大学であっても恐るるに足らない実力が身につくことは確かだが、これらをこなすだけの能力があるのであれば最初から青チャートに取り組むことが出来るだろう。
よって、「難関大学を目指す」のであれば「青チャート」、「中堅大学を目指す」あるいは「学校の定期テストで丁寧に基礎力をつけて行きたい」者には「本書」というように、自分の目的とよく照らし合わせて選ぶ必要があるだろう。
教科書の問レベルからセンター試験レベルまでの本質的理解を望む方へ
★★★★☆
本書は、正統的・本質的な理解を得ることを目的とし編集されており、『本質の解法』の弟妹分に当たるものである。
さらに、入試典型問題は教科書の問や例題レベルの融合問題で成り立っていることに着目して、例題間の有機的な配列により学習効率を高める創意工夫が見られる良書の1冊ではある。
しかし、購入検討対象となる、白チャートやシグマトライと比較すると見やすさや数学嫌いの方でもなじみ易い文章表現という点で一歩譲るかも知れない。
とはいえ、硬めの解説スタイルが好みでしっかり取り組みたい方には、むしろこちらをお勧めしたい。
教科書の問レベルの基礎は概ね理解できる段階での活用が効果的でしょう。
自分にとって解りやすいかどうか検討の上選択してほしい。