アレサの寛容さに包まれる
★★★★★
4. Eleanor Rigby は、タイトルを見直すまで全くわかりませんでした。コードもリズムも完全にアレサのオリジナルになっていて、ソウルはこう歌うもの、という出来です。アレサは西海岸で活動していなかったし、アフリカ系アメリカ人のアイドルだったので、ホワイトの前で歌うことはかなり挑戦的なことだったでしょう。最初の1. Respect の中で、とにかくリラックスして、と聴衆に呼びかけて、以後彼女の寛容に包まれるようなライブです。なんて力強くて優しんだろう、と思います。加えてバックのキング・カーティスやビリー・プレストン、バーナード・バーディーらの演奏が鉄壁。まるでゆらぐことがありません。ものすごいです。
ハイライトはレイ・チャールズが飛び入りする 9. Spirit In The Dark で、まさに歴史の瞬間に立ち会っているようです。ビリー・プレストンも加えてとてもテンションあるアンサンブルになっています。CDを聴いているのに床が揺れ出す錯覚に陥ります。