反省堂書店ぱんだ本店
★★★★★
うつ病やパニック障害の人は、状況を客観的に捉えることができない傾向が強い。自分の能力を過小評価して「私は生きる価値がない」と信じ込んだり、相手の真意を確かめることなく「あの人は私のことを嫌っている」と勝手に思い込むクセがある。このクセに気づき、自分や対人関係を客観的に把握できるようにするのが認知療法である。これまでに素人でも分かる認知療法の著書は出版されていたが、具体的に患者が何をどうすればいいのかを解説しているものはなかった。本書では、認知療法で患者に課せられる“自動思考記録表”の書き方が、他書とは比べものにならないほど段階的に、丁寧に説明してある。また、子どもの頃から植え付けられた「自分はダメな人間だ」「なんでも完璧にやらなくてはいけない」など、絶対的信念を覆す方法も書かれている。なお、認知療法の理論については『「うつ」を生かす』(大野裕著)を参照されたい。
水沢総合事務所
★★★☆☆
「こころが晴れるノート」で認知療法に興味を持ったらこちらもどうぞ。同じ大野先生の訳本です。より豊富な実践パターンがまさに練習帳形式でつづられています。行動表、カラム法などは実際に体験しましたが非常に有効です。表はコピーして使う事も出来ますよ。
こころ人文堂
★★★★☆
この本をこのコーナーで紹介する訳は、認知の枠組みは、脳の情報処理であるという考えからです。うつや不安というのは、認知の枠組みがゆがんでいると解釈しているのです。それを練習によって是正するというのが本書です。
ここで紹介されている方法は実際に医療行為として長年、著者が実践してきた方法だけあって、詳細かつ具体的です。この本で練習することは、「自動思考」を記録していくというものです。「自動思考」を記録していくことによって、自分の認知のゆがみが客観的に理解できるようになるのです。
薬物療法を行う前に、重度の症状になるまえに是非試してほしいです。
竹内書房
★★★★★
アーロン・ベックの認知療法に基づいて書かれたセルフヘルプブック。いわゆる「癒し本」ではないので読んだだけではどうにもならない。この本に従って地道に認知療法を「練習」することで効果が得られる。段階を踏んでやさしく書かれているとはいえ、うつや不安の改善が得られるまでこの本で「練習」を行うことは、けして容易な作業ではないだろう。内省的な努力家にお薦め。(もしあなたが認知療法的な立場に立つセラピストなら、この本は必読である)