現代文の上位私大対策を想定した、難し目の私大型実戦問題集。
主に早稲田大等の最上位私大志望の人や、他の上位私大志望でも高得点を狙いたい人が対象。
普通の問題集が解けるようになった後に、より実戦的な問題演習をこなしたい人におすすめ。
１冊が薄いので、時間のない人も取り組みやすいだろう。
解説も（薄い本の割には）充実しており、ある程度実力のある人が演習していく分には支障はないだろう。
学力を伸ばすためには、まず自力で解答を作成すること。
それを模範解答と照合し、どのように、なぜ違うのかをきちんと把握し、今後の学習に役立てることが必要である。

　本書の特色は私大入試問題を分析後、出題頻度の高い著者に注目して選び載せている点である。問題のレベルは中堅・難関・東京６大学。ジャンルは言語論､日本人論、近代批判､心理・哲学、文明・文化論、小説・エッセイ。問題数は合計で３０題である。それぞれの問は５問程度であり、さほど時間を要さず、各ジャンルのキーテーマが認識できる。あまたに出版される本の中から選抜され受験問題となった文章を、さらに精選した当問題集の問題文は一読に値する。つまり、おもしろい問題集である。

　さらに「解答・解説集」が充実しており、問題の要旨、解法、出題状況、著者紹介がある。著者の主要テーマが載っているため、問題を解くだけでなく、今後の図書選定の目安にもなり、自分自身の興味を深めやす!い。実際に問題を解き、自己添削後には解答・解説により自分の弱点が論理的に理解できる。重ねて言うが、解説が丁寧ですばらしい。

　予備校講師である著者・斎藤氏が受験生から圧倒的な支持を受ける理由が、本書を見れば分かるはずだ。