フランス語がわかったらなあ・・・
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たぶん、フランス語を解さない私にはゲンスブールの詩、特にダブルミーニングはわからないので、彼の魅力の半分も分かってないと思います。フランス・ギャルが「アニーとボンボン」でまさかフェラチオの歌を歌わされてるとは気づかず、人間不信になってひきこもりになったエピソードなど「ひどいな」と思いつつ笑ってしまいましたが。かの「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」も、てっきり「愛してる、これ以上ないくらい」というような意味とずっと思っていましたが、マガジンハウスから出てる彼の評伝を読んで、女が「愛してる」と言ってるのに男は「俺も(も、ですよ!)愛してない(愛してない、ですよ!)」なのを最近知り、ゲンスブール、深いなーと改めて思い知らされました。このCDにはバルドー版でなく、一般に流布してるバーキン版ですが、エロさはバーキン版、男のひどさはバルドー版によく出てると思います。2枚目の1曲目はバーキンのあえぎ声でなく、泣き声(シャルロットが実家に旅行した寂しさでの、です。DVではないので念のため)です。でも、それ、録音しとくのってやっぱスゲエなあ、ゲンスブール。みんなゲンズブールと発音しますが、もうゲンズブールでもいいと思います。もともとウクライナ(ロシア)系ユダヤ人で本名ギンズブルグだし。生まれはパリでも生粋のパリジャンじゃない屈折もあるんでしょうねえ。戦争中はダビデの星、胸に着けられてたそうですし。ゲンスブール・ファンの方に聞いても、この2枚組でほぼ彼の全貌はわかるそうなので、おすすめです。あとは、いろんな女性に提供した曲のCDがを買えばいいのではないでしょうか。