美の極み
★★★★★
ルノワール、セザンヌをサロンに落選させた張本人、ウィリアム・ブグローの画集です。
歴史は、勝者によって作られるため、彼の画集は数少なく、特に日本では彼の作品を見る機会も少なくなっています。その中で、これだけの作品を網羅している画集は極めて貴重な本だと言えます。
掲載されている作品は、「兄弟愛」「貧窮した家族」「瞑想」「壊れた水瓶」「慈愛」「天使達の歌」「ヴィーナスの誕生」など60数点。残念ながら「バッカスの幼年時代」、「ファースト・キス」は掲載されていません。ほぼ、カラー写真で掲載されています。
現代美術に見られるような、血の気のない写真を写したような写実表現とは、全く違った古代ギリシアの理想的デフォルメと写実の見事な調和と最高の色彩の美しさに心奪われること、必至です。