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The Art of Possibility: Transforming Professional and Personal Life

価格: ¥1,209
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin (Non-Classics)
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   本書の魅力はまずそのタイトルにある。「可能性」…すべてにおいて無制限の、大きな広がりを感じさせる言葉だ。その可能性を広げるにはコツがいるというのだろうか?会議室で、工場の中で、その場を監督する立場に立たされたとき、いや何もそんな特別な場合だけでなく、人生の日々の積み重ねの中では、誰もが達人として熟練した腕をふるってみたいと願うものだ。しかし達人になるためにはそれなりの訓練が必要だ。そこで本書『The Art of Possibility』では、著者が「この世の流れを決める2つの際立った前提に基づき、現状に対処する新しい手引きを授ける」ための一連の実習を指導している。

   あまりに非現実的な話に聞こえても、どうかうんざりしないでほしい。というのも本書は、どうでもいいような指示を書き連ね、読者を「よりよい」人間に改革しようとする単なる自己改善の本ではないからだ。むしろ本書に集められたイラストやアドバイスは、読者の人生観をまるごと変える道しるべとなり、さらにその過程において新しい可能性の範囲を広げてくれる1冊なのだ。

   たとえば「優(Aレベルの評点)をつける」という実習を例に考えてみよう。対象はあなた自身でもいいし、ほかの人でもいい。この実習は、その人の行動が標準以上か以下かを評価するためのものではない。「一番仕事をしていなさそうな人が、実はそのグループに最も貢献するメンバーとなり得る」可能性があることに気づいてあげ、そういう人たちの、あきらめたような部分にではなく「情熱」に働きかけるための実習なのだ。つまり、情熱を眠らせている人たちとのはたらきかけ合いの可能性を模索し、両者間の力の不均衡をなくそうと努力することで、結果的にチームの団結が強まるというわけだ。

   もう1つ、「ゲーム盤になる」という実習を例にとってみよう。これは、自分のことを何らかの役割を担ったゲームの「コマ」、もしくは戦略上不可欠な人物と考えることはやめて、ゲーム全体の「骨組み」であると考える実習だ。そうすると、責任を押しつけたり支配力を得てもまったくの無駄になるため、できるだけ有効な協力関係を結ぶための手段となるよう努力することが可能になってくる。

   このように、本書は、人生にも仕事にもあてはまる相互作用の例をふんだんに織り込みながら、多面性のある複雑な知覚、認識方法を、読みやすく実際に利用しやすい形式で教えてくれる1冊だ。音楽と絵画(同様に、それぞれファミリー・セラピストとエグゼクティブ・セミナーの講師も務める)というまったく異質な世界の2人の著者がえりすぐってまとめた体験だけに、本書に登場するさまざまな実例は読者の目や耳に生き生きと訴えかけてくる。また著者は、グループが置かれた状況とそのグループ内の人間関係との関連性を十分に掘り下げ、退屈なケーススタディーも一切用いていない。入りくんだ人間感情を理解する力とそれを手に入れたいと強く願う気持ちこそ、読者の最大の関心事であるという視点に立った本書は、すべての門戸を開く考え方、「可能性」を報酬として手に入れることができる、価値ある指南書だ。

コーチのみなさんにもお勧め! ★★★★★
カウンセラー、家族療法士であるロズと、ボストン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者であるベンの、ザンダー夫妻による共著。

原著のタイトルは、The Art of Possibility。日本語タイトルでは、この本の素晴しさを十分には伝えられないかもしれない。
ロズとベンの様々な経験を元に、どのようにして私たちの可能性(Possibility)を開くことができるか、アイデアを与えてくれる。
私たちがいかに日頃、既成概念という枠に囚われて物事を判断しているかを気付かせてくれ、ビジネスや人生において、可能性を開く考え方を見せてくれる。

実は、2006年7月30日に著者の一人であるベンジャミン・ザンダー氏の講演が東京で開かれた。ベンは一切の休憩も取らずに、実際にこの本の内容を3時間半にわたって実演して見せてくれ、ネイティブコーチとしての実力を、その講演の聴衆である1300人ものコーチもしくはコーチ志望者の前で示した。

人生に向かう視点を「わたし」から「わたしたち」に変えて、あらゆる人に可能性を開く考え方を与えてくれる好著である。
この本を読んだあなたにもチャンスが ★★★★★
私にとってはビジネスノウハウ書というより心理学に近い、
極めて興味深い内容のものでした。さらには音楽という形のないものを
通しての自己表現法や、才能の発掘方法、家庭生活における親子、
夫婦の関係改善のための方法などさすが家庭療法士と音楽家という
組み合わせで書かれた新しい思考のためのノウハウ本だと思いました。

「ある男がピカソに出会い、なぜ本物と同じように人物を描かないのかと
たずねた。ピカソは「それはどういう意味か」と聞き返した。男は
財布を開け、妻の写真を取り出して「妻です」と言うと、ピカソは
「ずいぶんと小さくて平らですね」
世の中全部作りもの、という発想を表すエピソードである。

ビジネスマン、カウンセラー、教師…いろんな立場の方にもぜひ
読んでおいてほしい本です。

感性に訴える1冊。 ★★★★★
同じ物事でもどのように捉えるかはまさに人それぞれ、そして様々である。
この本の中で紹介されている数々のエピソードや逸話はどれも温かいもの
ばかりだった。著者の人柄によるところなのかもしれないが、それぞれの
話そのものから読み手もまた様々な可能性を発見することになる。

好きな話は『臨終の父が残した最後のことば』

「ウチの畑に膨大な財産が隠されている...」その言葉を信じて
4人の息子は葬儀の翌日から畑のあちこちを掘り起こしては探しまわる
ことになる。しかし、くまなく熱心に堀り続けたもののついに何ひとつ
発見することは出来なかった。がっかりして畑を去る4人の息子。
果たして父の残した言葉はウソだったのだろうか...。