この本に会えてよかった!
★★★★★
この本は、学習事項を機械的に山のように列挙して「さあ覚えろ」、というものではありません。(よって無機質な「どか勉」をしたい人には向かないかもしれませんねえ〜。)
そうではなく、ここが大切!っていう要所をとらえて、易しい、しかし研ぎすまされた言葉で、読者を知らぬ間に本質的な理解へと導いてくれます。
「ある一つの視点」から眺めることによって、一見無関係な表現群がみるみるうちに束ねられ、分かりやすくなってゆくさまは、まさに驚きの連続でした。
また各レクチャーとも、エピソードや体験、映画のシーンなどが導入となっている場合が多く、解説にスーッと入っていけましたよ〜。(レクチャー11の「ミステリー仕立て」は凝りに凝ってますね。最後に筆者自身も消えることでミステリーが完結するなんて!)
どのレクチャーもためになり、個性満載なのですが、私にとっては5は最も印象的なレクチャーの1つでした。
英語を学ぶ日本人にとって the は、理解しにくい怪物のような存在ですが、「包括」という概念でこの the の正体をここまで追いつめることができるとは!まさに息をのむ展開の解説でした。
詳しくは本文を読んでもらうしかないのですが、To be or not to be , that is the question. まできて、「な、なるほど〜!」O Sole mio ! では「にくい〜!」そして最後のYour way was the way. で「もう参りました〜!」.. でした(笑)。
とにかくこのレクチャー5は、しっかり読むと、文中の「説明できないthe」の数がぐっと減ることは間違いないでしょう。
また最終講義もちょっとジ〜ンときましたね〜。「レナードの朝」の Never better. それから Couldn't be better! I couldn't agree more. と攻略して、最後に現れた難敵、「マスク」の I couldn't care less!
その意味と実情を知り(実情に関するリサーチもすごい)へえ〜〜!!!でした。そして、全編を通してこれだけ鮮やかに「論理」で説明しておきながら、最後は「言語は論理の奴隷ではない!」って... ちょっとカッコよすぎやしませんか?
長々書いてしまいましたが、この本を楽しみながら読んでいけば、無秩序に知識を詰め込まれ酸欠状態でギクシャクした頭に、きっとゆとりと潤いが与えられるのではないでしょうか?オススメです!
感想(まだ途中ですけど)
★★★★★
たまに理解するまで時間のかかるとこがあります。
しかし、英語の考え方として「なるほど」となれるので、
その点でいい本かなと思います。
ただ、9ページの下半分、いまだにどうして「奇妙」(=「変」、「変わっている」)
を「好奇心を起こさせる」というので説明できるのかは、
納得できないとこがあります。(それが英語の感覚なんかもしれないですが。)
とりあえず、僕は、この本を英作文のときのミスを減らすための、
ひとつの道具として使いたいです。
文法の革命。
★★★★★
教員は、自らの教えてきた文法のいい加減さに気づかされるだろう。
「覚えなさい。」ということは単なる説明放棄であることが
この本を読むとよくわかる。
特に時制に関する記述は、目から鱗もの。
いかに生徒に鮮明にわからせるか、
このことを突き詰めたらこの本に行き着くと思う。
いつでも英作文にも応用できる文法理解に導く説明を
ぜひこの本をヒントにして構築していきたい。
・・・・・かくいう私も勉強している。
生徒にとってのこの本は、未知なる世界への扉だろう。
学校で習った世界とは全く違った世界。
受験のために机に向かって読む・・・・・というよりかは
気軽に電車に乗りながらでも読みたい。
この本に書かれているイメージを少しでも理解できれば、
その分だけ飛躍的に前へ進めるだろう。
近年まれにみる文法の革命書である。