▼入門とうたっているにしてはCDの吹き込みスピードがかなり速く、これで発音練習をするのは無理がありそうです。
▼①基本会話と②基本表現をやりこなしてから初めて③文法事項を学ぶというやり方は賛成しません。文法は外国語を修める上での近道ですから、基本会話が終わった後に文法説明があったほうがよくはないでしょうか。学習者には①基本会話をCDで聞き、次に③文法事項を読み、さらに②基本表現を確かめ、その上で①基本会話に立ち戻って発音練習をするという順序で読み進むことをお勧めしたいと思います。
▼接続法の説明ページで、こんな表記がしてありました。(303ページ)
「接続法 形容詞節の用法
Ya tengo un amigo que conoce Argentina.」
しかしこれは接続法ではなく直接法の例文です。スペイン語学習の入門者がこうした表記を目にすれば、どうしてこの例文が接続法なのかとクビをかしげてしまうでしょう。
これに続く文法説明のページにこれが直説法の例文であることが書かれていて、接続法との比較のために置かれただけということが初めてわかる段取りです。文法説明が後回しになっているだけに、この直説法例文を接続法というタイトルの直後に持ってくるのは乱暴だと思いました。同様のことは313ページにも見られます。
入門者はスペイン語に関して真っ白な心でこの本にのぞむわけですから、すこしでも迷子にならないようにやさしく導いてあげる工夫が必要ではないでしょうか。