この本の特色はなんと言っても、５枚の絵とそれに沿った（こじつけ）ストーリーによる記憶術を使って英文を記憶するというやり方を採用していることでしょう。
最初に一読した時は、「こんなので記憶できるのか？」と思いましたが、やってみると、楽に記憶してしまいました。
英文自体は中学レベルの英文なので簡単なのですが、英文に付された番号のみをランダムに言われてもすぐに該当する英文が口をついて出てくるまでになったので、やはり記憶術の効果は大したものです。

ただ、日常会話ができるようになるには、基本文50と会話文50のみだとあまりにも少な過ぎます。
どうも続編があるようですが…。
本書と続編で200の英文が用意されることになるのでしょうか？
それでも少ないような気がします。
その点で★４つとしました。
（続編にＣＤが付いて発売されたら、すぐに買うつもりでいます）

副題に引かれて購入しましたが、勉強方法が違うので、私には使うことができません。私は翻訳せずに英語は英語のままで理解する勉強をしているので、この本（特にＣＤ）はちょっと無理です。それと練習相手が必要という点でも無理です。英語を日本語に、日本語を英語に素早く変換する勉強法なので、それを心がけている人には、とても良い本ではないでしょうか。

この本で紹介されている英語学習のコンセプトは、英語で使われる基本的なパターン文を暗記し、ひたすら暗唱して頭と口に染み込ませる事で、パターン文を実場面で活用できるようにするというものです。ひたすら暗唱が重要で、自分の頭、口に染み込むまで繰り返す事が推奨されています。魔法の様な勉強法ではなくて、真っ当で理にかなった正統的な勉強法だと思います。

この勉強法の利点は「暗唱」が中核である事です。何百回もテキストを音読する勉強法だと、まとまった時間やテキストが必要になります。それに対して「暗唱」は、いつでもどこでもをトレーニング可能です。場所を選ばずに隙間時間を使う事が可能です。暗唱する時に人目が気になる場合は、小声、ささやき、最後の手段として黙って頭の中で暗唱するという手もあります。忙しい人が英語のスピーキング能力を鍛えるには、暗唱は強力な味方になってくれます。

とはいえ、暗唱するには暗記が必要です。この本で最初に覚えるのは５０の基本文ですが、短い文から長い文までありますので、何の工夫もせずに覚えるのはかなり大変です。

しかし、この本のすごい所は５０の基本文を覚えやすく、思い出しやすくする暗記法がセットになっている点です。人間の記憶のメカニズムをうまく活用した方法で、５０の文を５つの物語（ストーリー）と５枚の絵にマップして、ストーリーと絵のイメージから、それぞれの文を思い出しやすいようにしています。実際にこの方法を使ってみましたが、暗記や思い出すのが楽になりました。

５０の基本文だけでも結構幅広いパターンをおさえていますし、さらに５０の会話文も用意されています。５０又は１００の文を完全に暗記しているとスピーキングやライティングに有用ですし、実際に口を動かすという訓練はスピーキング能力向上に極めて重要です。

この様にかなり優れた勉強法なのですが、今回の新版ではさらに念願のＣＤが付き、５０の基本文と５０の会話文のお手本を確認できます。これにより発音に自信が無い人でも安心して「暗唱」を使った英語のトレーニングができると思います。旧版の５０イングリッシュも良い本だったのですが、ＣＤが付いていない事が弱点でした。その弱点がＣＤが付いた事で解消された新版（ＣＤ以外の本文は旧版と同じ内容）は、スピーキングを強化したい多忙な人への強力な味方になると思います。

私は５０イングリッシュの勉強法で暗唱を繰り返し続け、実践的なスピーキング能力を伸ばす事ができました。今までも知人・友人に奨めていたのですが、新版はさらにお奨めの１冊になっていると思います。

英語を習得する上では、英文の音読と暗記が大切とされている。
この本では、英文を音読する習慣がつき、英文を暗記するコツが身につくと思う。
内容としては50個の英文が紹介され、10個ずつ5グループに分類される。それぞれのグループで物語が展開されており、暗記しやすい工夫がされている。その工夫がこの本の最大の売りだと思う。また、1日1グループ音読するというルールを設ければ、無理なく続けられる分量だと思う。
この本では、まず50の英文を暗記することを英語学習のスタート地点と位置づけ、英文法の本を書き、最終的には英語で2時間講義する事を目的としている。さすがに展開が速すぎる感はある。
毎日英語を音読する習慣がなく、自信のある英文を50個言えない人にはとても有用な本だと思う。

　10枚の絵を，まず，記憶し，その絵に対して，100例文を対応させています。その例文は会話文となっているため，さらに，応答で，100例文が簡単に記憶できます。これほど楽に記憶でき，定着を可能にしているメソッドは私は知りません。すごいです。
　本来は，このメソッドは，100イングリッシュと名づけられるのが妥当ですが，1/2に分けられて，本が出版されているため，50イングリッシュとなったのでしょう。この本(５枚の絵と50例文)と，『50イングリッシュ英文法』(５枚の絵と50例文)で，そろいます。
　このシリーズの『50イングリッシュキッズ』では，10枚の絵がすべて掲載されており，後から出版されたせいか，メソッドも洗練されています。大人の方も，『50イングリッシュキッズ』で学習されて，さらに，理屈が知りたい人は，『50イングリッシュ』を購入されるといいかと思います。