菜の花は満月の夜に微笑む
価格: ¥0
父親とケンカをして家を出た2浪中の泉花玲耶(いずみはな れいや)は、予備校とバイトに明け暮れる貧乏生活の日々を送る受験生だった。
そんなとき家賃が1万円という超格安なマンションを見つける。
その値段故何かあるのだろうと思っていたら、そこには子供の幽霊が現れるという事実を知る。
それでも家賃の魅力に惹かれてその物件に住み続ける決心をした玲耶の元に、実家から血の繋がっていない姉、鏡華(きょうか)が玲耶を連れ戻すために上京してきた。
この鏡華こそ玲耶が密かに思いを抱いていて、それが父親とケンカした原因ともなっていたのだった。
玲耶のマンションで鏡華が見たものは、悲しそうな目をした幼い子供の幽霊だった。やがて玲耶と鏡華はその幽霊を母親を合わせてやろうと奔走を始める。
義姉に寄せるほのかな思い。幽霊となった幼い子供とその母親の取り戻した絆。
人を結びつける目に見えない“絆”を軸にして、物語はラストへ、そして新たなる始まりへと続いて行く。
重くなりがちなテーマを現代風ライトタッチで、そして本当にありそうなリアリティを貫いて描いています。
*最初に出版しました本書に一部旧データが紛れ込んでいたのが見つかったため、物語の大筋に変更はございませんが、作者として納得の行かない部分があり、より完璧を目指すため、一時出版停止とし、改めてアップ致しました。
ご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます。
作者 春夏秋雪