アベクロ政策と国債問題
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この本は、アベノミクスの三本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間の投資を引き出す成長戦略)のなかで、いちばん注目度の高い金融政策の部分を安倍首相から任された黒田日銀総裁が行っている政策、「アベクロ政策」と国債との関わりについて書いたものです。
4月4日に黒田日銀は次元の違う大胆な金融緩和策を導入しました。「量的・質的金融緩和」では、日銀が1月に決めた消費者物価指数(除く生鮮食料品)の前年比2%という物価目標に対して、2年程度の期間を念頭に置いて、早期に実現するとしました。このためマネタリーベース、これは現金通貨と日銀当座預金を加えたものですが、それと長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍程度とし、長期国債の平均残存年数を現行の2倍以上にするなど、量・質ともに次元の違う金融緩和です。
今回の異次元緩和は国債の買入を主体とするものでしたが、この政策が発表されたあと国債市場は大きく乱高下したのです。なぜ国債市場に動揺が走ったのか。その理由を理解するためには、ある程度、国債や国債市場の仕組みについての理解が必要になります。
この本は債券市場関係者向けというより、どちらかと言えば、これまであまり債券や国債市場になじみがないが、国債の動きが気になってきた人向けに書き下ろしたものです。このため前作の「アベノミクスを理解するための日銀入門」と同様に、牛さん、熊さん、そして猫さんの会話によって話が進められる形式とし、読みやすいものとしました。
いま国債市場で何が起きているのか。アベノミクスが注目されるなか、その政策に大きく関係している国債のことを知りたいと思いませんか。