英語教師は、正編と併せて是非
★★★★☆
正編(前編)が、コーパスからの実例など言語事実を前に、自分の問いを深めていくスタイルだったことと比べると、こちらの続編は、やや理論に重点が移ったかな、という印象。誠実で謙虚な文章であるが、その奥に、強い信念を感じさせる。
pp.7-18, 『動名詞は叙実性のみを表すか』で見られる、分析力と、わからないことに対して『わかりません』といえる勇気が尊敬に値する.
pp.156-160, 『以上を表す同等比較のas ... as 』は、八木孝夫(『程度表現と比較構造』(1987年、大修館書店)で詳しく扱われ反響を呼んだ項目だが、高校レベルで扱われる関連した慣用表現の説明にも有益な視点なので是非、多くの教師に目を通し考えて欲しい。
惜しむらくは、正編に比べて、英語索引が貧弱になってしまったこと。ある程度、文法語法に疑問点を持っている読者であれば、項目や事項索引でいいだろうが、英文を前にしての疑問に対しては、やはり英語索引の充実が望まれる。