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殺人者たちの午後

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 飛鳥新社
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人生が重く感じられた。 ★★★★☆
人を殺した後、終身刑を宣告された人がどのように生きた、生きているかという、殺人者10人へのインタビューを文章にして本にしたもの。感動した。

語られている言葉は少しもむずかしくない。けれど、人生の重さが、とても重く、生々しく感じられた。殺人を犯したことに対する罪をあがなうには、死刑にされることなのか、終身刑として生きていくことなのか。生きるとはどういう事なのだろうかと、考えさせられた。

インタビューを受けた人たちには、幼児期の生育歴に共通点が見られるような気もした。そこが、もっとインタビューの人選が広くてもいいのではと思ったり、インタビューに応じる人は限られているのかも知れないと思ったりしました。

善人の語る微妙な違和感、一生の間後悔し続ける地獄 −それこそ恐怖− ★★★★★
怖い。

この「殺人者たちの午後」、
すなわち殺人者へのインタビューを読んでの感想だ。

恐怖は2種類ある。
ひとつは更正した彼らが語る言葉の端々に姿を現す微妙な違和感。
これはじわっと怖い。
殺人まで至ってしまった人間がもつ衝動やエゴは、
インタビュー中にそっと貌を覗かせている。
笑顔の絶えない腰の低いという不運な受刑者、
刑務所で恋に落ち更正を果たした男。
インタビューはまあ筋が通っているのだが、
でもその言葉の端々にかすかな狂気を感じてしまう。
それが怖かった。

もうひとつ。
殺人の記憶か逃れられない人々の抱える闇が怖い。
これは罪の意識と言っていいのだが、
一生十字架を背負うということは、こういうことかと、思った。
特に2番目のインタビュー。息子殺しの男の最後のセンテンスは衝撃だ。
そんじょそこらの文学、映画にはない、本当の罪と罰が描かれている。
裁かれた後,どう生きているのか ★★★★☆
 原題はLife after lifeという。lifeには人生,生活,生きる,などのほかに終身刑という意味がある。つまり,殺人を犯して終身刑を受けた,その後の人生,ということである。犯罪を犯した人が,どういった人生を歩み,何を感じているのか。著者のトニー・パーカー氏による10人の犯罪者へのインタビューである。
 訳文のよさもあるが,どんどん引き込まれていく。一見すると生育環境の不遇さは共通項として見出しうるが,しかし生育環境が不遇だとしてもほとんどの人はまっとうに生きている。しかし,やはりお金を稼ぐことや他の人間(家族でなくとも)とのつながりがとぼしければ,社会生活に戻ることはなかなか困難だろう。そういった意味で,保護観察などの仮出所後のフォローの重要性を感じる。
 とはいえ,自分の隣人が仮出所者であると知ったら,どう感じるだろうか。恐怖を感じないといえば,嘘だろう。だが,そうして人とのつながりや居場所を失うことで,さらに犯罪を繰り返すことにつながるのかもしれない。危険だから塀の中にずっと閉じ込めておけ,という単純なものではないように感じる。なんにせよ,こうした犯罪者や殺人者の姿を,私たちはもっと知ったほうがいいと思った。この本は,その絶好のノンフィクションである。(もちろん,犯罪被害者のことも知る必要があるし,そもそも重大犯罪が起きないような取り組みこそ重要なのはいうまでもないが)
 ただ残念なのは,原著では12話あったものが,訳者の判断で2話削られて10話しか掲載されていないということだ。理由はあったのだろうが,ぜひ全訳してほしかったと思う(ので星を1つ減らす)。
結局殺人とは何なのだろう ★★★★☆
殺人と聞くとあまりにも特別で、あまりにも私たちの人生から遠くある単語である。
しかし、この本では一つの日常のように殺人がそこにある。
ある殺人者は台所でコップが割れるようにと隠喩しているのだが、ほんとうに殺人はすぐそこにあるのだろうか?
時代的背景が原因だと思われるが、本での殺人の根底の多くはその人の生い立ちであるように思えた。
その時代、欧米では幼少期の心的トラウマが殺人に駆り立てると言われていた。
ある意味でそれを補完するインタビューが多くあったように思える。
全体的に悲しく、同情的にならざるを得ない、
罪を憎んで人を憎まず、それを強く思ってしまった。
ただし、罪を犯すことを決して肯定はできない。
作者もそう思っているのだろうか、私見を入れずに徹底的にインタビューに徹している。
その意味で、判断を読者に投げかけていると思われた。
インタビューの難しさを乗り越えている本だと思った。
あとから怖い ★★★★★
人殺し。僕なら対面したとき目をあわすことが、できない。
人を殺した罪で、終身刑を言い渡された10人それぞれに、著者がインタビューする。
イギリスの話。

劇的にする意思のない淡々とした文章だ。
文章から受けるイメージのせいかもしれないが、殺人者たちの心の内には、悪意すらない。
光では届かない狂気が映す影から、何かを感じる。
正直、その何かはわからなかった。
イギリスという階級がそれぞれ断絶した社会がつくるものかも知れないし、もっと普遍的なものかも知れないし、もっと個人的なことかも知れない。
沢木耕太郎さんによる翻訳の効果を誤読しているだけかも知れない。

静かに語られる狂気。
あとから怖い。