ヒップホップとレゲエの融合体「レゲトン」のスター、ダディー・ヤンキーの、ダンスミュージックと哲学的なチューンをバランスよく配した21曲収録のCD。このコレクションの原動力となったエンジンは、大ヒット・シングル「Gasolina」。ベーシックなレゲエ・ビートに乗せた「もっとガソリンを!（Dame mas gasolina!）」というコーラスが人気を呼んだ。特にダンサブルなのは、ウィジン&ヤンデルをフィーチャリングした「No me Dejes Solo」（邦題「ノ・メ・デヘス・ソロ（ひとりにしないでくれ）」）と英語でのポップ・レゲトン「Like You」だ。一方、物質的なものばかり飽くことなく追い求める社会に疑問を投げかけるラップ・チューン「Salud y Vida」（邦題「サルー・イ・ビダ（幸福と人生）」）では、ダディー・ヤンキーのヒスパニックらしい面も出ている。やはりレゲトン・アーティストのテゴ・カルデロンと同様、ダディー・ヤンキーもビッグバンドのサルサを崇拝している。その影響のひとつの表れとして、「Sabor a Melao」（邦題「サボール・ア・メラオ（蜂蜜の香り）」）では、有名シンガー、アンディ・モンタネスをゲストに迎えている。モンタネス独特のしゃがれ声は、このトラックにソウルフルな味を添えている。（Ramiro Burr, Amazon.com）