著者はジャーナリストとしての経験から、圧倒的な情報量でしかも論理的に未知の文明の存在を描き出している。上巻では16世紀に存在するはずのない南極大陸の地図や、中南米に伝わる数々の伝説や神話とその地に残る遺跡を調査し、さらには天文学も視野にいれて詳しく述べている。
著者の述べるこの未知の文明は、我々の知っているアトランティスやムー大陸と繋がっている部分がある。ただこういった話は神話上の出来事で有り得ないと考えて!いる人々も多い。しかし思い出してほしいのは、シュリーマンが発見したトロイアの遺跡のように、神話の世界から歴史の世界に現れる事実も過去にはいくつも存在するということだ。頭ごなしに神話の世界の真実性を否定することのほうがかえって非常識ではないだろうか。
著者の主張する人類の記憶喪失。その内容は非常に多くの謎を抱えているが、現在人類は少しづつその記憶を取り戻しつつあるように思う。
人類史が大きく書き換えられる可能性を十分に秘めた本書は世界中の人に読んでもらいたい一冊である。