読み始めてまず思ったのは、非常にhonestに書いているなーという点。そして幼少期から中高を経て大学へ、という過程で、よくまあこんなに多くの人々と出会い、それを忘れることなく、自分の糧としてきたなあ、ということ。あまりに多くの人名が出てくるので、くらくらします。クリントン、基本的に人間が好きなのですね。
意外にも内省的、悪く言えばウダウダしたところもある文章からは、合衆国元大統領というよりは、一人の人間としての悩みがセキララに伝わってきます。
激動の60年代に多感な思春期を過ごし、どんどん政治にのめりこんでいく個人的なプロセスが、ベトナム戦争がらみのリアルなUSポリティカルヒストリーとリンク。ケネディ暗殺、キング牧師の暗殺、反戦運動の盛り上がり…と、アメリカ現代史の“熱い季節”を実際に体験しているような気分で読み進めることができる。
オックスフォードに留学しながらもベトナムへの召集がいつ来るかと恐々とし、ベトナム行きを合法的に避けた後、今度は自分が意気地なしではないかと不安になる、そんな心理が手に取るように描かれているのも秀逸。冷戦時代のモスクワ等、ヨーロッパ各国へ旅するくだりも興味深い。
上巻200ページ読んだところで、下巻とCDまで注文してしまった。アマゾンのページでCDの一部をオーディオクリップで試聴できる。かなり早口だが、一度読んだところはだいたい聞き取れるかな。
~以上、中間報告。
早く読み終わらないとハリポタ新作に割り込まれてしまうー!下巻は1ハリポタ後になる予定(笑。