我が国の現代政治学の一つの画期
★★★★★
現代の現役政治学教授の中でも指折りの研究者たちによる論文集(多くは佐々木毅教授の門弟の方々になるようである)。
兎角、政治学の用語や概念は多義性に富み、特に重要な概念ほどその多様性はある種の混乱さえ招くようになる。
それに対応すべく、自由や平等と言った各種の重要概念を、一人一テーマで分担し、的確に論考を加えているのが本著である。
その内容水準は、当然ながら全体的に高く、ほぼ現代政治学の次なる共通了解を提示したかのような感がある。
とはいえ、あくまでこれは論文集であり、流石に個々のテーマを主題にした著作には流石に劣る。
より学問を進めたい方は、各論文の執筆者の単著や論文、参考文献にも当たることを薦めたい。