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勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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私たちは何を選択するのか ★★★★☆
本書は、生計を立てることと人生を豊かにすることのどちらを選択するのかをテーマに描かれている。
ニューエコノミーの広がりにより、買い手にとって取引相手を変えてより有利な取引をすることが簡単になる一方で、売り手にとっては厳しい競争があり、不安定な状態になっている。
そして、人は誰しも買い手や売り手の一方のみということはなく、基本的にどちらの立場にもなる。
それゆえ、売り手として自らの生活を保とうとすれば、より良いものを生み出すために際限のない労働を強いられるという逆説的な状態が生み出されているということである。

一般の個人はは住宅ローンや光熱費などの「固定費用」を支払わなければならない。
しかし、一方で労働により求められるアウトプットはより大きなものに日々変化しており、決して安定した報酬を得られる保証はない。
少子化や非正規労働などを含めた現代社会に渦巻く問題が本書の中に多くの問題が提起されているような気がする。

日本な欧州はアメリカに比べれば、不安定度は低いようなことが本書には書かれているが、本書の出版からかなりの時がが経った今、決して日本も例外ではない。
私たちと社会はこれからどのような選択をし、進んでいくのだろうか。
世界中にまきちらされた「米国流勝者の条件」が人間性を奪う ★★★★★
衝撃の本でした。これは、小泉内閣以降、「日本を改革する」と
言われ、米国流競争社会の勝者の法則(ニューエコノミー)を持ち込んだあげくに、
その結果、いったい日本社会がどうなったのか?を、そのまま描いたような錯覚
に陥ります。

テクノロジーの驚異的発展と経済のサービス化によって、好き嫌いに
関わらず、国民がほとんど全員「賃金労働」に組み込まれ、24時間
365日、オンデマンドで仕事に向き合わざるを得ない昨今、それが
果たして、国民に真の幸福をもたらしているのか?という検証が本書
のテーマです。これは、携帯電話やPC、ネットなどを駆使するビジネス
パーソンには思い当たる節が多いのではないでしょうか?

国富の配分が不均衡になり、勝者は益々富み、敗者はどんどん貧困化
し、自分の時間を低賃金の個人向けサービスに振り分けてもなお、
生活のために、もっともっと労働をしなければいけないという現実。

コミュニティも会社組織も以前とは異なり、破壊された後、再構築された
価値連鎖は、分離された財とサービスと労働者の連鎖がコンポジット化されて、
人間性はさておき、経済効率性のみが追及されるという世界。

瞠目すべき、「課題」の克明な掘り起こしと整理もさることながら、
組織人、会社人としての勝利は崩壊し、個人の売り込み、ブランディング、
アピールが勝利の法則のひとつである、という検証は、読者の今後の
生き方にも多いにインパクトを与えると同時に、今、流行の個人成功者に
よる自己啓発本、ビジネス本のブームを納得させるものがあります。

コミュニティ、家族はサービス経済化されて、グローバリズムの波に飲み込まれ
る。本書では、「暴走したグローバリズム資本主義」によって、経済合理性の
勝者の国、米国(も日本も他の追随する国々も)と米国国民が失ったものを
ひとつひとつ検証し、何を得て、何を失い、何を変革することが幸福なのか?
という、重い課題をつきつけます。
これが我々の望んでいる豊かさか?! ★★★★☆
 一足先に、ニューエコノミーやグローバリズム経済に突入した米の人々における、経済活動の変遷を綴った本。 
 半世紀前の牧歌的労働は既にどこにも存在せず、富める”勝ち組”企業や労働者でさえ追随を心配して、また馬車馬のように走り続けなければならない。
 コミュニティでは、(税の投入を必要とするような)層は削除され、学校においては、充分なケアを親たちの援助で受けられる学校とそうでない学校・病院・職場等様々な場所で、所得層に応じた区別をされ、上流層は学校で人脈を作り、それが又職場での下流層からの流入を防ぐ。
 行政は、企業のために税免除や援助を行い、上流層の所得税も下げる。 その代わり、消費税・酒税等下流層からの税は上げる。
 米では、欧に比べて年間350時間以上多く働くと言われるが、日本や欧州もそれに追随しつつある。

 労働者として、未来の恐怖をやわらげる心構えをする本とも言えよう。  
 尚、巻末に注釈が多いが、殆どが出典に関するものであり、詳しく調べたい英語に堪能な者以外は、無視しないとページをめくるのが忙ししぎる。
示唆に富む半面、おかしいと思う記述もある本 ★★★★☆
この本のいいところ
①アメリカで起こり、日本でもその方向で進むであろう、ニューエコノミーについての記述の的確性。技術革新と、それに伴う消費者の選択肢の増大・選択の容易さが企業に厳しい競争を強い、人々の生活を容易ならざるものにしているのか。私もアメリカに関する文献は結構読んだが、このような指摘に目からうろこが落ちる思いがした。
②一種の自己啓発として使えるところ。ニューエコノミーでいい生活をするにはこの本で言う「変人」と「精神分析か」になればよいのか。自分はどちらに近いかを十分考慮すれば、仕事決定にも役立つかもしれないと思った。
この本のイマイチなところ
①クリントン政権の労働長官職から来る限界。この本に書かれている現実は結構おかしいと個人的には思ったが、政権の中枢だった彼に批判的な検討は出来なかったか(この点が、クリントン政権の経済諮問委員だったスティグリッツと異なると思った)。
②最終章の提言。特に、18歳になったら準備金を支給するなんて出来るのだろうか。
結論
いいところで星5つ、イマイチなところ(特に①)で1つひいて星4つ。でも、今後の日本や自分の生活を考える上でいい本なので、ぜひご一読を。
今何が起こっているか ★★★★★
この本は、人々が「よりよい取引」を求めることによって
現在(特にアメリカで)起こっていることについて、
元労働長官のロバート・B・ライシュが書いているもの。

消費者である私たち自身がより早く良いものを求めることで、
技術革新はノンストップで進み、雇用に変化をもたらし、
生産者である私たちをますます働かせる。
より貪欲に働くようになったというよりは、
働かないことの代償が大きすぎるためだ。
これにより格差はどんどん広がり、家族との時間は削られていく。

この本に解決策を求めるというよりも、
今何が起こっているのかを知り、危機感を持つなり憂慮するなりして
自分でそれに向き合わなければならないと思わせる本。