9.11事件以降アメリカの「力の政治」は非常に顕著になってきています。しかしそれはそれ以前の政策の延長でしかないこと。とりわけ、対日政策では日米軍事同盟のあり方を、集団的自衛権を軸にして根本的に変えようとしていることはずっと以前からの戦略であったことが分かりやすく述べられている。そして日本の小泉首相は積極的に応えようとてしている。これらのことを歴史的、憲法学的、外交政策的に縦横に述べていて、いろいろと発見があった。現在手にすることの出来るもっとも手ごろな本ではないかと思います。
これまでの日本政府の憲法解釈に関する詭弁としか言いようのない発言に
対しても鋭く批判している点では非常に納得のいくものだった。
ただ、少なくとも私には著者の浅井先生は憲法を擁護しすぎているように
しか思えない発言が多々見受けられたことは残念であった。
憲法を絶対的な尺度と位置付けていたようにしか見えない主張に関しては
納得はできなかった。
全体的には良書だと思う。国際社会における日本の現状を理解するには
必要な一冊だと思う。