大好きな写真家。

十四、五年くらい前だったか、新宿の三越か伊勢丹の上の階にあるギャラリーで個展をやっていた時、見に行って以来のファンです。
あまりにも有名な、ジョン　レノンとオノ　ヨーコが抱き合って、それを俯瞰で撮った写真（Rolling Stone誌)を、ジョンが撃たれて死ぬ数時間前に撮った人。

そこで売られていたカタログが素晴らしくて、当時十代で金が無く、悩みに悩んだ末、生まれて始めて買った写真集だったと思う。
この人はなんて自由なんだろう。と思って、見てるだけでわくわく、ドキドキしたのを思い出す。
ストーンズのツアーとか、スライストーンとか、マイルスデイヴィスとか、、、沢山！！

近年は増々売れっ子カメラマンになっちゃって、ファッションにも進出し、映画も公開されたりしていますね、、。

数年前に、渋谷のタワーレコードで買いました。ちょっと悩んだけど、良すぎて。
アメリカのミュージックシーンの深さと広さが余すところ無く、描かれているように思います。
今年、音楽好きの友人に子供ができて、お祝いにあげました。
とても喜んでくれました。（子供には関係ないけど、、。）

また買い直したい。あの豊潤なコダックのポジの色。モノクロの印刷の艶。コク。
もちろん、被写体のアーティストたちの豪華さ。マニアックさ。
時代が丸ごと写っちゃってる。すごい。
あの個展の時期と何も変わらない。
むしろまっすぐな写真はさらに強度をまし、しなやかになっている。
最近はデジタルも使ってるみたいだけど、（Louis Vuittonのキャンペーンとか）
決して派手な加工やギミックに向かわず、飽くまでフィルムの質感を基準にした撮り方も個人的にとても好きです。
いわゆるセレブと言われる人たちが多いんだけど、軽薄で浮ついたものに決してならない。
むしろその逆。時に重く、時に寒そうで怖くさえある。
こんな写真、日本で撮っても誰も雑誌に載せてくれないよ。誰も使ってくれなくなっちゃうよ、、、、。

弾けた瞬間や、静まり返った瞬間。その場その時、そこに居合わせた人々の何かが充満していて、それがばっちり写っちゃってる。すごいです。

ちゃんと「人」が写っている。
あーうらやましい。こんなすごい人たちを、こんなにストレートに自由に撮れるなんて。