ほしのこ
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流れ星にかけられた願いごとを叶える「ホシノコ」のお話を、絵本と物語でおおくりします。
かわいくて、やさしくて、すこし切ない、すこしふしぎな物語を、お楽しみください。
● 掲載作品と紹介
*ホシノコ(絵本)*
「星に願いを、かけているコはいないかな?」
ホシノコはある日、森のなかに、星に願いをかけているコを見つけました。
お願いごとをきいたホシノコは、願いを叶えるタクトを振るいます。
カンキロコロリン カンキロコロン
星の音色を響かせて、ホシノコはどんなお願いを叶えたのでしょう。
--可愛いイラストと言葉で紡ぐ、やさしい絵本です。
*カナとハナ(短編小説)*
寒い寒い冬の夜、星にかけられた願いを叶えるためにホシノコは、ある女の子の前に降り立ちます。
けれどもその女の子は、星にお願いごとをしたおぼえがありませんでした。
ホシノコが叶えようとしている願いとは、いったい誰のものだったのでしょう。
やさしい語り口で紡がれる、ほんのすこし切ない物語。
心にじんわりとあたたかい光を灯してくれる、そんなお話しを、ぜひ覗いてみてください。
***「カナとハナ」冒頭を掲載します***
ある寒い寒い冬の日のことです。
街から少し離れた河原の草むらに、一人の女の子が膝を抱えて座っていました。
誰もいない冬の河原はしんと静まり返っていて、たまに河原の脇を通る人たちも、草むらの影に息を潜めるようにしゃがみ込む女の子にはまるで気が付かないようです。
河原を照らしていたやわらかな日はすでに落ち、辺りがその色彩に濃紺を纏ってから随分経つというのに、女の子はずっと、身動ぎ一つせずにぼう、と川面を見つめているのでした。
それからしばらく、一時間も経った頃でしょうか。女の子の頭上で、一つの星が流れました。
霧に包まれた川を眺める女の子はそれに気付きようもありませんでしたが、流れ星は確かな軌跡を描いて夜空を渡り、そのままふうわりと地上に到達したかのように見えました。
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続きはぜひ本編でお楽しみください。