ある文章の告発
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"私は犯人を告発する文章である。それは私の持って生まれた使命である。"
轢き逃げ犯人告発のためにこの世に書き落とされた「文章」。
文章の書き手は、どう生きていいのかわからず堕落し、強請りに身を落としたどうしようもない男だった。
それは己の身体に、生きる目的である文面を持っていないからだと、まだ若い文章は考えていた。
文章は、口封じされてしまった書き手の代わりに、犯人の罪を世間に知らしめようと、様々な人間たちに己の文面を訴えていく――!
前代未聞、「文章」の生まれてから死ぬまでのお話。
文章の文面は人の心に届いて、犯人を逮捕できるのか!?
第二回別冊文藝春秋新人発掘プロジェクト最終候補作品。
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文庫本換算:71ページ