『妖精の女王』を原文で読みたい人には、これが最新・最良の決定版となる
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英文学を代表するエドマンド・スペンサーの大作『妖精の女王』は、福田昇八訳(ちくま文庫)をはじめとする種々な翻訳があり、日本人にはなじみ深いものとなっている。これを英語原文で読む場合には、A.C.Hamilton 編のロングマン版(1977)が長らく標準版とされていたが、2001年に第2版が出版された。この改訂第2版は、日本人である山下浩・鈴木紀之によって本文の編纂が担当され、最新の学説に基づいて本文が全面的に改められると共に、ハミルトンが初版をさらに充実させ、詳細な注解・解説を付したものとなった。今回の本書は、2001年の改訂第2版の出版後に発見された誤植の類の是正、注解の追加、最新文献の追加等を行った、増補版といえる。