約24年前、高校3年生だった私は父と担任教諭の勧めで公務員（税務職員）になりました。

　生涯安定した給与をいただける生活が始まりましたが、なぜかもの足りなさを感じていました。

　商店街で育った私は、自営業の父の背中を毎日見て育ち、社会人となってからは訪問先の社長のお話をお伺いしていくうち、お金ではない何か大切なものが人生には必要ではないかということを感じはじめ、いつか独立しその何かを満たすために歩み始めることを決意したのです。


　それから11年、子供の頃からモノづくりが好きだった私は自家焙煎コーヒー豆店を経営することにしました。

　仕事を始めてからは思い通りにいかないことの連続。収入は極端に不安定になりました。そして本当に大切なものは何かという問いに迷い続ける生活が始まりました。


　毎日コーヒーに接していくなかで、コーヒーは感じて味わうもの、コーヒー豆は途上国で生産され、その多くは先進国で消費されること。そして、コーヒー豆を知ることで途上国の生活を垣間見ることができ、日本は経済的に大変恵まれている国であること。そして日本に暮らす多くの人々は時間に追われ、何か大切なものを忘れているのではないか。そんなことを感じる様になりました。


　そんな思いを書き綴りつづけ12年経った今、一部を抜粋しこの一冊にまとめました。

　私自身まだまだ未熟であり「30の秘訣」というよりは、私自身のこれまでの30の気づきであり、その気づきが少しでも皆さまの参考になればと思っております。そして、これからもつい見過ごしてしまいがちな気づきを大切に感じ取っていこうと思っております。

　この本を読んでいただき、何かひとつでも皆さまにとって幸せに生きるヒントになれば幸いです。



【著者プロフィール】

大西文明（おおにしふみあき）
株式会社さくら代表取締役
1971年岐阜生まれ愛知県在住。高校卒業後、目指していた工業大学への進学を諦め、周囲の勧めで税務職員になる。11年後に退社し、2001年にコーヒー専門店を起業し現在に至る。

ほっとする幸せと、おいしいコーヒーをお届けする自家焙煎コーヒー店Coffee SAKURAの店主。