アンダーグラウンドのヒップホップ・グループの先駆者的存在、ジュラシック5のメンバーだったカット・ケミストのソロ・デビュー・アルバム。『The Audience's Listening』はレコードをヒット・シングルを産むためのツールや、やたらと腰を振るビデオと結びつけるのではなく、サウンドを愛した者たちが冒険のために作っていた時代を彷彿とさせる。ターンテーブル、ミキサー、コンピュータを駆使して曲を作りだしたこの才能あふれるDJは、音の無限の可能性に敬意を表した。変化自在に盛りあがりを見せる予測のつかない曲たちはヒップホップにルーツを持つが、あらたな音速の領域へジャンプしている。『The Audience's Listening』はカット・ケミストというアルケミストが創りだした音楽の魔法を提供しているのだ。
完成度が高い
★★★★☆
かなりテクニックがあるけど、あまりひけらかさない感じなのが良い。
インストHIPHOPと言うことでDJ SHADOWとかDJ KRUSHとかと一緒に語られる事も多いけど、あんまりどんよりしていない。むしろさわやかで遊び心を感じる。
極上のBGMとして聞く
★★★★☆
最近、若手ロックバンドのキンキンした感じのギターの音に、ちょっと飽きがきている。
いくらでも期待の新星が生まれてきて、今年度最大の新人、とかいうバンドも次々に登場するのにも、やや嫌気がさしている。
そういうときには、こういうアルバムが聞きたくなるのだな。
この作品の中にある音はすべて、ヒップ・ホップのジャンルに当てはまるであろう表現である。
というか、これこそがヒップ・ホップであるという、ひとつのお手本だと思う。
しかし、決して、その最新モードというわけではない。
いろんな音楽的要素とか、ワールドミュージック的な音などまでもひっくるめてひとつのヒップ・ホップ表現とする、というようなやり方は、すこし懐かしい感じすらするものである。
でも、すばらしく楽しい。
もうちょっとボーカルの入った曲を聴きたいところだが、そこまで贅沢なことは言うまい。
BGMとして流していると、ちょっと気分がよくなってきて、いつもの居間が、きもーち快適な空間に変化する。
じっくり聞いても、もちろん良い。
飛び出すネタの数々に圧倒
★★★★★
彼のビートとネタは本当にカッコいい。
俺がサンプリングするアイテムはオリジナル盤の、しかもファーストプレスだけだ。
すんごい拘りですがやはり音を作る人間はこうでなければならないとコレを聞いて感じました。
更にターンテーブリストとしての面も損なう事無く、鬼擦りです。
ただ単に擦りまくるだけでなくかなりの厳選したフレーズをアルバム全体に綺麗に散りばめられてます。
DJ CutChemistとして、そして作り手としてのCutChemistとして、正に彼の集大成的ソロアルバム。
髭親父完璧です。