コンパクト・メランコリック
★★★★☆
最近WARPはかなり面白いことになっていて、
多種多様なニューカマーが集ってきています。
その中でも個人的にお薦めなのがこのbibio。
この最新作は、フォークの要素を内包したエレクトロニカ、
そしてヒップホップのビートを兼ね備えた作品です。
アマゾンの内容紹介にもあるように、ギターの温かい音色や
オルゴールのメロディなどが、幼少期の幸福な時間を想起させます。
また同時に、そういった日々に戻れないという思いも感じさせます。
ビートが洗練されていて都会的なものなので、そうした感傷的な部分が
より増幅されているのが好み。ハイライトは2、4、8。
レビュータイトルにコンパクトと書いているのは、
このアルバムの構成が非常に優れていると感じたからです。
よくCDを聴いていて「これもっと聴きたいのに」「この部分長すぎ」
と感じることがあります。
でもこの作品では全曲”然るべき長さ・タイミング”で流れていました。
余分な贅肉を削ぎ落とした洗練があり、中弛み無く聴けます。
一曲ごとの質に加えてトータルな構成力もある、有望なアーティストだと思います。