過去に心の傷を負った主人公の“ゴンゾウ”こと黒木を内野聖陽が熱演!一つの殺人事件の発生から解決までを通して、彼を囲む刑事たちと共に、悩み、苦しみ、喜び、再生していく姿を描く“本物かつ大人の”人間ドラマ。主演には内野聖陽(『エースをねらえ!』『風林火山』)を迎え、筒井道隆、本仮屋ユイカ、綿引勝彦、大塚寧々ら個性豊かな俳優陣が、ユニークで魅力あふれるキャラクターを演じる。
出演者全員の人生が、しっかりと描かれている作品。
★★★★★
このドラマを観たきっかけは、古沢良太さん脚本であること、「相棒」のスタッフが関わっていること
そして、大好きな内野聖陽さん始め、大塚寧々さん、池脇千鶴さんが出演していることが大きかった
のですが、やはり、古沢さんの脚本は凄い!この人は只者ではない、と再認識しました。
上記の俳優さん以外にも、皆さん個性派揃いで、それぞれの方にドラマがあります。
何度も出てくる「この世界に愛はあるの?」という意味深な言葉・・・。それが解かった時の驚きと
ドラマ全てが一つに繋がった時の、震えるようなあの感覚は忘れられません。
人間味溢れる素晴らしい作品だと思います。何度でも観たくなります。
関係ないですが、大塚寧々さんがいつも肩から下げている、妙に大きなバッグが可愛かったです♪
傷を負った魂の再生の過程を描く物語
★★★★★
『この世界に愛はあるの?…』
ゴンゾウこと黒木刑事の亡き恋人の最後の言葉が、このドラマのテーマです。
一つの事件に関わる様々な人々の様々な人間模様を通して、愛とは何かを考えさせてくれるドラマです。
心に傷をかかえ、ロシアンルーレットをしながら、死んだ恋人に生きるべきか死ぬべきか問いかけるゴンゾウは、ハムレットを彷彿とさせます。
純粋すぎるが故の危うい死線を彷徨いながら、事件を捜査して行くうちに彼は色々な形の愛を見つけていきます。
推理ドラマとしても楽しめるドラマですが、観終わった後は、温かい気持ちにさせてくれる特A級の作品です。
ゴンゾウ役の内野聖陽さん、佐久間役の筒井道隆さん、カウンセラー役の大塚寧々さんら、実力派の俳優たちが名を連ね、シリアス&ユーモアを交えながら素晴らしい調和を生み出しています。
伝説は何処
★★★☆☆
劣等感と罪悪感で仕立てたドラマ。
若い刑事が何故こんなに涙もろいのか、女の刑事が何故こんなに自分の責任にするのか
何故母親は子供を残して自殺したのか、ゴンゾウは何故こんなに死をもてあそぶのか、
劣等感や罪悪感を軸にして展開しているんだと思った。
大体そうしてこの世は出来上がっていると思うけど、最後の「愛」の講釈はちょっと頂けない。
そんな講釈で決着がつかないからそれぞれの心に問題があるわけでしょ。
それと「伝説」が何なのか知りたかったけど、伝説、伝説と言うばかりで内容がなかった。
ある男の「再生」の物語。新感覚の刑事ドラマに内野聖陽が挑む!
★★★★★
ゴンゾウ:実力があるのに働かない刑事のこと。内野 聖陽(うちの まさあき)が刑事に挑んだ話題作だ。一応、「係長」でありながら、仕事は女子事務員に任せきりで、自分はゲームに興じるダメ警官。
♪「運動性に頼りすぎたか」「やはり闘将ダイモスと、ボルテスVにフォロウさせるべきだったんだ!」「HAHAHA〜!」
と絶叫する:内野さんの演技が軽妙で、薄暗い備品倉庫がやけに楽しそうだ。しかし、彼:黒木はかつて捜査一課で「伝説の刑事」と呼ばれた優秀な男であった…。
ある日、管内で、バイオリニスト(前田亜季)が射殺される事件が起きる。誰からも愛された美人の彼女が、何故…! 捜査本部を率いるかつての後輩:佐久間(筒井道隆)は、備品係である黒木を強引に捜査に引き入れる。
劇場型犯罪でない、通常の事件で、長編の刑事モノは異例。しかし、1話毎に登場する魅力的なゲストが、多彩な場面を描き、飽きさせない。「幻の拳銃」と呼ばれる珍しい凶器、そして黒木を「壊した」3年前の事件。細部まで考え抜かれた秀逸な脚本で、ラスト・シーンまで一気に駆け抜ける。
最後のカットは鳥カゴの中に注目。「再生」への道を歩み始めた、黒木刑事の姿が象徴的に描かれている。
刑事を「人」として濃く描く事
★★★★★
放送当時、一話完結の刑事ドラマと思っていたので2回目辺りで「え?また続くの?」と思いながら観ていましたが、たくさんの謎を含んだひとつの事件を全編の主軸に据えて、各回ごとに濃密なサイドストーリーを織り込んだドラマでした。
主人公の心の傷として残る、亡き恋人の「この世界に愛はあるの?」という言葉の持つ本当の意味が何なのかがラスト辺りで重要になります。
第何回かちょっと忘れましたが、犯行で使用された拳銃のルートを辿って古びた工場を訪ねる回は、最初から最後まで映画さながらの格好良さでした。あと、綿引さん演じるベテラン刑事が入院中の病院で「孫の為に生きていたい(みたいなニュアンスのセリフ)」から捜査の第一線から外してほしい、と言うシーンは妙にリアルで心に残りました。エリート刑事の主人公に対する憎悪等、格好良いだけの刑事ドラマではない、それぞれの刑事の刑事として以外の生活と人生観に目を向けた人間ドラマです。しかし深刻なばかりではなく、主人公の下手クソな習字(?)やインコ話、若手刑事たちのワイワイする感じ等、随所に笑える所もあり、楽しめました。毎週、オープニングのサンバ(?)に何故か癒されました。