ありがとう須賀さん
★★★★★
私は不勉強で、寡聞にしてこの須賀敦子さんという作家を存じ上げなかった。今回この本を購入したのは、読みたかったミケランジェロの詩と手紙の訳文が収録されていたからである。需要のありそうな作品であるにもかかわらず古本しかなく、またそれが値段が張るので諦めかけていた所で、本書を発見したのだ。表題にもあるが、サバを始めとしたイタリア詩人の作品が多く、ミケランジェロの作品は量的に少なかったが、一部とはいえこれだけ廉価で読めたので、とりあえず満足した。
須賀さん自身の作品に興味があったわけではないが、全集の他の巻に投稿されている方のレヴューを読んでいると、須賀敦子という人は非常に誠実で、人間としても魅力的なエッセイストだということがわかり、いい出会いが出来たと喜んでいる。