立ち話です。
★★☆☆☆
お二人共、個人的に好きです。
物事をストレートに私欲無く発言されるからです。
ただ、この本には二人の個性が発揮されていない。
まぁ、賢いおば様の立ち話っちゅう事でした。
なるほどね
★★★★★
還暦には普通、赤い服を着て祝うものだ。
だが、このふたりは還暦だから赤い国へ行こうと言ってソ連に出かけた。
実にパワフルな対談だ。
笑っているうちにものすごく元気になってくる。
読んでゆくうちになるほどと合点がゆく。
読み終わって爽快。
誰にでも平等に訪れる、老い、そして死。
彼女たちのある時は丁丁発止、あるときは阿吽の呼吸のやりとりの内容はは実に深い。
きちんと生きることはたやすいことではない。
それがビシビシと伝わってくる。
昨今の、安穏で楽チンばかり追求するような社会に流されず、自らの人生をちゃんと見据えて生きなければと、普段の生活を大反省した。
上坂冬子さんにはまだまだ元気でいてほしかった。
曽野綾子さんにはいつまでも明晰で厳しい文章を書いていてほしい。
後期高齢者ますます愉快に語る
★★★★★
上坂、曽野氏の対談集は、数年前に「大声小声」というタイトルで出版され、世の常識や建前論に、舌鋒鋭く、小気味よい程に本音で語り、話題も多岐にわたり、おもしろかった。さてその後、数年を経て、両氏共に、けがをしたり、ガンを患ったりで、まさに「後期高齢者」となるものの、決して弱音は吐かず、ますます意気軒昂。悪名高い「後期高齢者」という名称を、拒むどころか一枚上手。己の老いを、冷静に現実的に捉え、悲哀感などさらさらなく、好奇心はいささかも衰えず。老いたる者、肉体の衰えは不可抗力とは言え、精神の深さ、知恵の豊さは、若輩にはとうてい及ばずと思わせる迫力がある。井戸端会議のような対談が、実は深い人生論になっていて興味深い。老人だからと侮ってはならぬ。
まだ残っているか、老後の智慧
★★★★★
書きたいものは無理してでも書く。曽野「軽く十万枚は超える。これだけ書けば、自然と書く力はつく」上坂「怪我をして入院しても、一冊本を書いた。ころんでも、ただは起きない」
「私怨」は生きるエネルギー、私有財産とも言える。「あんちくしょう」と思う気持ちが活力になる。最後に残るのは、野獣的な直観力力。優先順位を刻々に決めて、大事なものからやって、できなかったものを落とせばいい。
世間は出来るだけ狭くした方がいい。友を減らし、義理を欠く。趣味があれば長生きも楽しい。連れ合いを亡くして悲劇と思う人もあるし、結婚しなくても幸せな人もある。人それぞれ。
曽野「人はめいめい違った課題をもらって生きていると思う」
上坂「世の中はなるようにしかならんのではない。為せば成るという気概がかつてはあったんだけど…成り行きという意味がわかった今となれば、さすがの私も『なるようにしかならん』の心境ね」