リズムを奏でる。それがストンプ。ストンプは、世界中の観客を驚嘆の渦に巻き込んできた。もし、地元で見る機会がなかったなら（または、もっと見たいと渇望しているのなら）、これがチャンスだ。米ケーブルテレビ局のHBOが、この驚愕のリズム＆パフォーマンスを、リビングルームに持ち込んだ。映像を見ていると、ほうきやテレビのリモコンを手に、リズムを刻みたくなるに違いない。「コメディであり、演劇であり、エネルギーに満ちあふれ、また、時に恐ろしくなるもの」とは、出演者の談。劇場からストリートに舞台を移すが、彼らは、どこにいても、何を使っても、すべてを楽器に変える。オープニングは、マンハッタンの広告にパフォーマーが吊り下がっているシーンから始まる。車のホイールキャップやパイプ、標識やゴミ捨て場の缶のふたを持ち、揺れ動きながら正確なリズムをたたき出す。ドライブ中、ラジオから聞こえてくる音楽に合わせて体が動くときが誰にでもあると思うが、このパフォーマーたちにはラジオは必要ない。ニューヨークの街を巡りながら、自分の手で自分の音楽を創り出すのだ。蒸気の立ち込める路地で、バスケットボールだけを使いながら、高度なダンスと音楽が完成する。舗装道路、ブロック壁、そしてゴミ箱が、音を奏でる。今回収録されているのは、フロアブラシ、ゴミ箱のふた、そしてポールを使った代表的なパフォーマンス。パフォーマーや街、ユーモアなど、どれをとっても驚嘆に値する作品だ。トレーラー（予告編）と舞台裏を紹介したメイキング映像もあわせて収録されている。（Dana Van Nest, Amazon.com）