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経営戦略の思考法

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞出版社
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マネジメントの現場において、表層的でなくメカニズムを考えるためのメソッドの提供 ★★★★☆
著者独特の視点に基づく切れ味の良い本である。

第1部ではこれまでの経営戦略論の系譜がコンパクトにまとめられている。ミンツバーグの「戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック」と比べると、著者の分析視点が明確で、言いたいことがズバリと伝わってくる。例えば、「戦略計画−創発戦略」×「ポジショニング×リソースベース」の2次元空間に、「時間展開・相互作用・ダイナミクス」の軸を付加し、最近注目を集めている「ゲーム論的アプローチ」をこの新しい軸を取り入れた戦略論として位置づけている。スキームとしてたいへんわかりやすい。

第2部では、第1部を受けて、3つの思考法(カテゴリ適用法、要因列挙法、メカニズム解明法)を説明し、カテゴリ適用法や要因列挙法だけでは表層的で思考停止のリスクがあるとし、「時間展開・相互作用・ダイナミクス」を考慮したメカニズム解明法が必要であると主張している。

第3部では、第2部で説明した思考法を用いて、現在の企業で起きている様々な経営上の事象を分析している。全部で8つの事象を分析しているが、特に「シナジー崩壊のメカニズム」「組織暴走の理論」が興味深かった。他の書評にもあるように、8つの事象は必ずしも体系的なわけではなく、エッセイ風ではあるが、思考法をどのように活用するかのイメージは沸く。

切れ味の良く思考法を説明するために、具体的な例題が若干教科書的でスキーマ的な印象であることは否めない。ただ、現場で起きているドロドロとした事象に対しても、本書で示された思考法(特にメカニズム解明法)を用いて、表層的でなくしっかり本質的なメカニズムを考えることの重要性は十分伝わった。
第三部の内容は読後翌日の業務で使える ★★★★☆
第三部の思考法は読んだ翌日の業務から使用可能。
事象を点と点の組み合わせることが多い従来の経営戦略論、マーケティング論と違い、事象を動と動の組み合わせで思考する方法を説いている点が新鮮であった。
(巷の書籍やセミナーでは点と点の組み合わせでしか説明されてない気がする)

20代のビジネスマンは『わかりやすいマーケティング戦略』→『経営戦略の思考法』の2冊で経営戦略に関する基礎固めができると思う。

著者にはもっと表に露出して色々と発信してほしい。同じ一橋大で戦略学者の楠木氏と比べて露出が少ないのが残念。
俯瞰性が高い本。経営戦略の新しい定番本 ★★★★☆

大学教授の本としては、久々のヒット。

経営戦略の歴史とその種類を体系的に纏めている。
極めて俯瞰性が高く、アカデミックに経営戦略を学ぶ際の定番入門書となるであろう。

後半でメカニズム思考について触れらているが、要は、世の中は単純な因果律では示せないということを述べている。
この部分に関しては、まだ議論が始まったばかりなのか、実践への示唆に乏しい印象がある。
今後の著者の議論に注目したい。
精力的 ★★★★★
約350ページに渡って、自分なりの語り口から経営戦略の理論と実践が綴られており、意欲的でコストパフォーマンスの高い一冊だと思う。第1部では、ミンツバーグ風に5つの主要戦略論がまとめられている。各テーマの「まとめ」の部分で、諸説の特徴だけでなく、限界・問題点が述べられており、著者の気概のようなものが伝わる。特に戦略創発学派に対する問題指摘は共感するところが多い。

第3部の実践編は「実務を知らない学者のコラム」という批判もあるようだが、戦略の実践過程における誤解・偏見・問題点を可能な限り実例を使って指摘しようとしており、むしろ「実務の垢に染まっていない学者ならではの客観的姿勢・批評精神」と受け止めた。
第1部のみが便利 ★★★☆☆
他の評者と同様に、サーベイとしての第1部はまとまっていて便利。
しかし、その内容も他の類書(青島・加藤2003『競争戦略論』など)と大差ない。

第3部の精髄は、「やってみなはれ」「見る前に跳べ」。
わけても、戦略論ではなく組織論として、第17章「組織暴走の理論」は興味深い。
それにしてもなぜ、「戦略」暴走ではなく「組織」暴走なのか。
であるなら、経営学の一部門としての戦略論は組織論に吸収される。
暴走に見えた英断、意図した英断が暴走に、
そういった逆説への問題意識には共鳴する。

本書の小論集としての性格から、
著者「まえがき」にある通り、読む順序は、具体から抽象へ、
たとえば、第2部では第8章と第9章を、入れ替えた方がわかりやすい。